北京の小学生がビッグデータを使って蘇軾詩詞を研究 ネットで話題に

人民網日本語版    2017年10月17日(火) 12時40分

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国慶節(建国記念日、10月1日)連休が終わったばかりの今、「小学生が蘇軾について知る」という文章が、微信(WeChat)のモーメンツで話題となっている。

国慶節(建国記念日、10月1日)連休が終わったばかりの今、「小学生が蘇軾について知る」という文章が、微信(WeChat)のモーメンツで話題となっている。文章では、北京の清華大学付属小学校6年4組のクラスメートによる、蘇軾の詩詞に関するいくつかの課題報告が掲載された。課題には、「蘇軾の作品中、最も頻出度が高いワードは?」や「蘇軾の作品に登場する観光地のうち、最もブランド価値が高い場所は?」といった課題のほか、「蘇軾には詩を作る以外にどんな才能があった?」、「もしも蘇軾のモーメンツを作ったら、一体どんな感じ?」などの個性的な課題もあり、ユーザーの熱い議論を巻き起こした。人民網が伝えた。

小学生の調査研究結果について、「これらの報告は、もしかしたら保護者が行ったものかもしれない」というネットユーザーの意見もあった。このような意見に対し、学校側は、「保護者は、技術的な細かい部分においてサポートしてあげただけ。内容のほとんどは、教員の指導のもと、生徒たち自らが完成させた。生徒たちは、それまでに、課題研究への取り組みについて、豊かな経験を蓄積していた」としている。

〇ビッグデータを利用した小学生の蘇軾研究、ネット上で話題に

報告の中で、小学生はコンピュータ・プログラムを通じて、蘇軾の詩詞3458首に対する分析・研究を進めた。その結果、「子由」こと蘇軾の弟・蘇轍が、蘇軾の詩詞で頻出度が最も高かった言葉だったことが判明した。「蘇軾詩詞全集」には弟の名前が229回登場しており、蘇軾と蘇轍との間の絆の深さが十分にうかがわれるという。

このほか、「帰来(帰って来る)」という言葉が計157回、「帰去(帰っていく)」が計92回、それぞれ登場した。彼らは、このことから、「このような言葉が頻繁に登場するのは、いつも各地を旅していたからだろうか」という考えをすぐさま思いついた。しかしこれらの詩詞が作られた年代についてさらに踏み込んで分析し、蘇軾が左遷させられた経緯も踏まえ、「蘇軾は一生涯で3度にわたり罪を着せられたが、その罪の償いが終わるたびに、彼の詩に『帰来』という言葉が登場する回数がやや増えた」ことを突き止めた。

また、ある生徒は、「人傑地霊(優れた人物の生地やゆかりの地が名勝地となること)−蘇軾の観光ブランド価値分析」と題する報告文を公開した。この文章では、蘇軾は生涯にわたりさまざまな場所を巡り歩き、詩詞をつくる中で、美しい風景に対する賛美の気持ちを包み隠さず表現し、関連する多くの名勝地の「文化的シンボル」となっていることが指摘された。それでは、蘇軾の詩詞に登場したこれらの観光地のブランド価値は、一体どれほどのものなのだろう?

統計データによると、合計27カ所の国家5A級観光地区が蘇軾の詩詞に登場している。報告によると、観光地の受け入れ者数と観光地の価値との間に相関関係があるとすれば、観光地の価値を大まかに算出することが可能だという。蘇軾の詩詞にこれらの名所が登場した回数にもとづき、観光地の無形資産に対する貢献度を算出した結果、蘇軾が「PR」した5A級観光地区のブランド価値は、最終的に、26億7500万元(1元は約17.1円)から128億7千億元の間であると結論づけられた。

〇学校側:教員指導の下で報告を完成 保護者は細部のサポートを行っただけ

称賛の声が上がる一方で、違う見方をするネットユーザーも存在する。「これは、一見素晴らしい教育活動のようだが、実際には、保護者がかなり介入したのではないか。生徒たちの本当のレベルを反映しているとは思えない」という声があった。学校側は、このような意見に対し、「保護者は、一部の細かなサポートを行ったに過ぎない。ほとんどの内容は、教員の指導のもと、生徒たち自身が完成させた」と強調している。

保護者は一体どれくらい関わったのだろうか?同クラスで算数の授業を受け持っている易博先生は、「研究のプロセスで、保護者は、計算ソフトを探すことや、折れ線グラフを作成するなど、ごく一部の細かい点でサポートをしただけだ。それ以外の数学的分析は全て、生徒たち自らが完成させた」と話した。

同じくクラス担任の連潔先生は、「前学期では、教員はすでに生徒たちに蘇軾の詩詞の精読を指導した。今学期になると、生徒たちは各学科の知識を総動員すると同時に、資料調べやアンケート調査を通じて、蘇軾に関する様々な調査を行った。報告書作成の過程では、生徒たちは、一文字一文字すべてを自分自身で練り上げた」と語った。

〇同校児童にとって課題研究は「慣れっこ」に

3年生の後期が始まると、同小学校の生徒たちはすでに「種子成長日記」、「地下鉄への煙霧の影響」、「運動場実物測量」など、十数項目にわたる課題研究を進めていった。「種子成長日記」をつける際には、生徒たちは毎日、種の成長スピードや葉の変化を記録し、データに対して帰納・総括を行った。その総括を通じて、平均値に対する概念を理解できた生徒もいた。「それはまさに、教員が次に説明したかった内容だった」と連潔先生。

魯迅を研究した際には、魯迅の資産管理について取りまとめた生徒がおり、「魯迅は不動産購入に興味があった」と面白い結論づけた。また、魯迅が唐辛子や映画鑑賞を好きだったことを発見した生徒もいた。このほか、魯迅の創作習慣、服装の好み、好きな色、恋愛経験をめぐる研究まで飛び出した。

煙霧の地下鉄への影響に関する研究では、ある生徒が、保護者の同伴のもと、北京の地下鉄駅7駅に出向いて、大気の質指数を測定し、「地下鉄の大気の質と地面とは、違いがない」という結論に達した。この生徒は、人々に、地下鉄構内でもマスク着用を呼びかけたほか、関連部門に対して、地下鉄駅に空気浄化装置を設置するよう提案した。

清華大学付属小学校の竇桂梅校長は、「わが校の6年生の生徒たちは、3年生の時から、各種課題研究を行ってきた。通常、生徒が初めて自主的にテーマを選ぶときには、範囲が広すぎて意味のないテーマを選んでしまう傾向は避けられない。よって、教員がまず7、8種類の大きな研究の方向性を提示し、それらをさらに細分化して数十項目の小テーマを設定する。その後、資料探し、アンケート調査、分析、フィードバックなど一環の作業を進めていく」と紹介した。(編集KM)

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