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国家統計局が14日に発表したデータによると、今年1〜8月には社会消費財小売総額が23兆2308億元(1元は約17.0円)に上り、前年同期比10.4%増加し、1〜7月の水準を維持した。
国家統計局が14日に発表したデータによると、今年1〜8月には社会消費財小売総額が23兆2308億元(1元は約17.0円)に上り、前年同期比10.4%増加し、1〜7月の水準を維持した。全国のオンライン小売総額は4兆2511億元で同34.3%増加し、社会消費財小売総額の増加ペースを明らかに上回った。このうち実物商品のオンライン小売額は3兆2101億元で同29.2%増加し、社会消費財小売総額に占める割合は13.8%だった。
過去5年間の同局発表のデータをみると、社会消費財小売総額は12年の21兆307億元から16年は33兆2316億元に増加し、約12兆元増えたことがわかる。20兆元台から30兆元台へ増えるのにかかった時間はわずか3年だった。サービス型消費、革新型消費が経済に「新しい原動力」を提供している。
これと同時に、小売の業態も革新を繰り返し、ECと伝統的小売業態が徐々に融合に向かっている。
▽消費者は買い物より旅行志向
北京市朝陽区に住む29歳の李さんは、「12年頃は賃貸住宅に住んでいて、オンラインで買うのは主に実用品、たとえばドライヤーや靴のラックなどだった」と振り返り、「その後結婚して家を買い、家では主に旅行と体を鍛えることへの支出が大きく、自分も最近6千元払ってヨガのクラスを申し込んだばかり。平均で1年間の旅行費用は大体2万元くらいになる。今は昔みたいにネットショッピングに夢中になることはなく、家族と一緒に出かけて、朝陽大悦城のような総合型ショッピングモールをぶらぶらするのが楽しい」と現在の心境を語った。
首都経済貿易大学の陳立平教授は、「物質的な消費は今では幸福感をもたらさなくなり、人々はSNSのモメンツで旅行の様子、海外に出かけた時の様子、マラソンに出場した様子などを披露するようになり、こんな商品を買いましたと披露する人は少数になった」と指摘する。北京工商大学の洪濤教授も、「一家の消費者は今、質の高い消費や体験型の消費により注目するようになり、消費の相互連動性をさらに重視するようになった」と指摘する。
▽サービス型消費、革新型消費が「新原動力」を提供
過去5年間には、消費構造の変化が明瞭だった。同局のデータでは、過去5年間に都市住民の生活の質が向上を続け、消費構造がバージョンアップする流れが明らかで、食品の消費が占める割合が低下したことがわかる。
同局は、商品の消費は基本的な生活必需品を中心とする方向から発展型・享受型の消費を中心とする方向へと徐々に移行している。データをみると、12年から16年にかけて、一定規模以上の家庭用電気製品・音響映像製品メーカーの年平均増加率は11.0%に達し、文房具・オフィス類商品(コンピューターと関連製品を含む)は10.9%、貴金属・ジュエリー商品は10.5%に達した。
自動車などの大型耐久消費財が一般家庭にも普及し、15年末には地級以上の都市の乗用車保有台数(全市)は1億4008万台に上り、12年より5020万台(55.9%)増加した。
これと同時にサービス型消費が経済の中で演じる役割が重要になっている。北京市統計局の夏沁芳副局長はさきに、「サービス型消費の急速な伸びが経済発展の新しい原動力の形成を促している」と指摘した。
北京市統計局のデータでは、16年の同市の商品型消費は1兆1005億1千万元に達して同6.5%増加し、サービス型消費は8921億1千万元で同10.1%増加した。過去約5年間で、サービス型消費の増加ペースが商品型消費を上回るのが常態化している。サービス型消費が消費総額に占める割合も徐々に上昇している。10年から13年の間に、北京市の経済成長に対するサービス型消費の寄与度は平均34.4%になり、16年は55.1%に上昇した。
サービス型消費だけでなく、革新型消費も経済発展を牽引する。VR(仮想現実)、ドローン、お掃除ロボットなどの新製品が次々登場したほか、シェアリングエコノミー(共有経済)を代表とする新しい消費スタイルが活発な動きをみせる。こうして経済発展に新しい原動力をもたらしている。
近年はそれぞれの地域で社会消費財小売総額の増加ペースに大きな変化が生じており、中部・西部地域のペースは東部を上回る。国家統計局のデータでは、13年から16年にかけての東部の年平均増加率は11.1%、中部は12.4%、西部は12.1%だった。16年の各地域の社会消費財小売総額が全国に占める割合は、中部が21.1%、西部が18.5%に達し、12年に比べて中部は0.7ポイント、西部は0.4ポイント、それぞれ上昇した。
陳教授の分析では、「東部地域の消費構造はすでに成熟しており、単なる物質的な消費では幸福感を得られなくなり、サービス型消費支出という点に注目すると、この支出の5年間の増加傾向は明らかだ。中西部地域のここ数年の増加傾向と都市化、東部の産業の中西部への移転などはどれも密接な関連があり、中西部の増加傾向は商品型消費の増加によるところがより大きい」という。
▽オンライン小売の割合が5年で倍増
商務部(商務省)が発表したデータによると、16年の中国オンライン小売取引額は5兆1600億元に達して同26.2%増加し、増加率は同期の社会消費財小売総額の増加率の2倍以上になった。
12年のオンライン小売取引規模は1兆3100億元で、同年の社会消費財小売総額に占める割合は6.23%だった。16年には実物商品のオンライン小売取引額が社会消費財小売総額に占める割合が12.6%に上昇した。
北京のオンライン小売市場の急速な発展は北京市の消費のまた一つの成長源でもある。一定規模以上の卸売小売企業のオンライン小売額は12年の596億8千万元から16年は2049億元に増え、社会消費財小売総額に占める割合も7.75%から18.6%に上昇し、消費財市場の支柱としての役割が徐々に高まっている。
陳教授は、「超大都市の消費習慣の変化は、社会の人口構成の変化と無関係ではない。高齢化、少子化、新世代の勃興などがどれも消費業態の変化に影響を与える」と分析する。国家統計局北京調査総チームの調査によると、高学歴の若者はオンラインで旅行、保険、各種公演のチケットといったサービスを購入することを好むという。(編集KS)