拡大
重慶市工程学院ではこのほど、「ネット有名人学院」を設立し、ライブ配信テクニックや話題となるショートムービーの作成方法といった日常生活におけるエンターテインメントを1つの学問として大学の授業に取り入れ、話題を集めている。
重慶市工程学院ではこのほど、「ネット有名人学院」を設立し、ライブ配信テクニックや話題となるショートムービーの作成方法といった日常生活におけるエンターテインメントを1つの学問として大学の授業に取り入れ、話題を集めている。北京青年報が伝えた。
資料によると、重慶市工程学院は、全日制の一般的な大学で、30学部・学科に現在1万3500人以上の学生が在籍している。同院は今年7月4日、地元の文化伝播有限公司と共に、「ネット有名人学院共同建設」契約締結セレモニーを行った。学校の責任者は会場で、「『ネット有名人学院』の開設は、大学と企業がネット有名人経済に基づき展開した、画期的な戦略意義のある有効な施策。今回の協力により、ネット有名人業界の『現段階での質の高い専門人材の不足』問題を解決へ導くことを期待する」と話した。
同院管理学院の張先生は20日、「ネット有名人学院」は同院の独立した学部でもなければ、学校の具体的な専攻でもないとし、「学校が企業と提携して立ち上げたプロジェクトの1つに過ぎない。ネット有名人の方向性を定義するトレーニングクラスと捉えるべき。企業側からは講師と実践の機会が提供され、学校側からは会場と設備を提供している。学生は自己判断で参加することができる」と紹介した。「ネット有名人学院」は9月19日よりスタートし、20日より正式な授業が始まる。トレーニング期間は3カ月となっている。
また、張先生は、「同クラスは主に管理学院のEC及びマーケティングを選考する大学4年生向けに展開している。学生が同教科を選択後、企業側が生徒に対し面接を行う。学生の容姿や言語表現能力、顔面偏差値は高いか、またその他特徴がないかを判断する。現在このクラスには既に19人の生徒が所属している」とした。
また、「『ネット有名人学院』は、現段階では試験導入のレベルだ。もし成果が出れば、将来的に専攻として学校に開設することも視野に入れている。しかし『ネット有名人学科』という名になることは無いだろう。教育当局の専攻一覧の中にそのような名称の専攻は存在しないからだ。名付けるとしたら、『ライブ配信パーソナリティー』学科もしくは『ネットライブ配信』学科となるだろう。また現在所属している生徒19人のトレーニング終了後、学校からは同教科の修了証明書が単独で授与されることもない。通常通り、現在所属している専門の修了証明書が授与される」と話した。
同トレーニングクラスの今後目標としていることを張先生に聞くと、「まずは、学生の就職問題だ。学生たちが興味を持ち、実用性があるもの、例えばEC業界でも、ライブ配信による商品の宣伝はしている。次に、学校からは教員を派遣し、全授業に参加し、学習させている。これは、ネット有名人経済の研究及び、今後実際に専門学科として立ち上げる際の準備としてだ」と語った。
専門家:「ネット有名人」を学科として立ち上げるには時期尚早
重慶工程学院が「ネット有名人」トレーニングクラスを試験導入した件について、中国科学教育研究院の研究員・儲朝暉氏は、「大学が『ネット有名人』トレーニングクラスを開設したことは、本来であれば、正統的とは言えず、理性に欠ける行動だ。流行を追い求め、『芸能人学科』を開くの同じ原理。実質上の自主性がなく被動的な状態だ」と話す。
また儲朝暉氏は、「現在、『ネット有名人』というのは、新しい社会現象であり、関係する学科の内容がなく、学科として長期にわたる積み重ねも存在しない。そのため、1つの独立した学科や専門としての基準に達していない。『ネット有名人学院』について、学生はもっと基礎的な価値判断能力を持つべき。『ネット有名人学院』に入ったからといって、必ずしも『ネット有名人』になれるとは限らないことを理解する必要がある。また、『ネット有名人学院』に参加し、パーソナリティーになったからといって、安易に仕事をすることは簡単なことだと誤解してはならない」と注意を促した。(編集TK)
この記事のコメントを見る