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福建省泉州市にある泉州軽工業職業学院に通う大学3年生の鄭旭さんが、キャンパスの人気者になっている。
福建省泉州市にある泉州軽工業職業学院に通う大学3年生の鄭旭さんが、キャンパスの人気者になっている。その理由は、彼が夏休みを利用して、ずっと憧れていた、「27日間かけてローラースケートで2150キロメートルを走破し、ラサに到着する」という夢を実現させたからだ。学校側は現在、彼の快挙を記念して、「ローラースケートでチベット旅行」と題する個人写真展を開催することを計画しており、彼のように夢を実現させたいという若者の背中を押そうとしている。泉州網が伝えた。
20歳になる鄭さんは、「これまでは、のんべんだらりとした日々を過ごしていた。チャンスがあれば、自分の可能性に挑戦したいと思った」と話した。
2014年、鄭さんは、アーティスティックローラースケート(ローラーフィギュア)の存在を偶然知った。そして、インターネットを通じて、複数の国内ローラースケートの名手に指導を仰いだ。その後3年間、彼の技術は大きく向上し、泉州大学連盟が主催する文化芸術祭の個人競技大会に何度も出場した。「チベットは、いつか訪れたいと思っていた特別な場所であり、たまたまローラースケートでチベットを旅した人のことを知り、私もチャレンジしてみたいと思った。そこで、今年の初めに計画を練り始めた。まず、体力をつける必要があったので、朝30分のジョギング、カエル飛び、公園での坂上りなどのトレーニングを始め、毎日続けた。大変ありがたいことに、面識のないネット上のローラースケート関係の友人が私の計画を知り、約1千元(約1万7千円)相当の装備を援助してくれた上、実現するまで決して諦めてはいけないと私を励まし続けてくれた」と鄭さん。
皆の期待と支援を受け、7月5日夜、鄭さんはローラースケートを持ち、成都に向かう列車に一人乗り込んだ。
7月7日早朝5時、鄭さんは成都に到着した。その日1日休んだあと、8日早朝、朝日を浴びながらローラースケートでの旅をスタートさせた。
四川・チベット鉄道には、チベットを徒歩で行く人、自転車で旅する人など、自分の夢を追い求める人が大勢乗っている。その中でも、鄭さんは特別な存在と言えるだろう。彼は一足のローラースケートで、夢見てきたチベットの地を走破しようとしていた。
海抜約3千メートルの二郎山を越える際、鄭さんは山西医科大学のサイクリングチーム14人と知り合い、一緒に旅をすることとなった。
道中は、決して平たんな道ではなく、砂利や石のでこぼこ道、水が流れる道も多かった。自転車ならば走行は比較的容易だが、ローラースケートで進むには、非常に骨が折れた。
沿道では太陽の光が長時間容赦なく照りつけ、空腹状態で走行することが多かった。時には雨に遭ったが、道中の美しい景色を見ると、これらの困難は全てどこかに飛んで行った。鄭さんは道中、援助の手を差し伸べてくれた多くの親切なチベット族の人々やバックパッカーに出会った。
チベット走行最終日、連続で180キロメートルあまりを滑走してきた鄭さんは、ついに目的地のラサに到着し、ポタラ宮を目の当たりにした。鄭さんは、「このときに感じた感動と満足感は言葉では言い尽くせない」と話した。鄭さんの今回の旅行は計27日間に渡り、14座の山を越え、走行距離は2150キロに達した。
「どんな困難に出会っても、決して諦めないこと」−これは、鄭さんが今回の旅行を通じて得た最大の教訓だ。彼の通う学校では9月末から10月初めにかけて、彼の個人写真展が開催される予定という。写真展では、彼が旅の途中で撮影した100枚以上の写真が公開され、教員や学生が彼の人生における特別な経験をシェアする。(編集KM)
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