朝鮮半島危機、米紙「日本の核武装に道開く北朝鮮の核容認」と警告、韓国紙は「北朝鮮放置の代償は中国が払う」とも

Record China    2017年9月10日(日) 10時30分

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北朝鮮が核・ミサイル開発に突き進む中、米有力紙は「米国が北の核を容認すれば日本の核武装に道を開く」と警告。韓国紙は「中国が北を放置すれば、中国が代償を払うことになる」としている。写真は北朝鮮。

2017年9月8日、北朝鮮が核・ミサイル開発に突き進む中、これに対抗して日本が軍備増強を急ぐとの論調が海外メディアで目立っている。米有力紙は「米国が北の核を容認すれば日本の核武装に道を開く」と警告。韓国紙は「中国が北を放置すれば重武装の日本が登場し、中国が代償を払うことになる」としている。

米国のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、北朝鮮が発射した中距離弾道ミサイル「火星12」が北海道上空を通過した翌日の8月30日付で「日本の核武装に道開く北朝鮮の核容認」との社説を掲載。「この中距離ミサイル発射実験は、北東アジアの安全保障をめぐる政治を一段と混乱させるだろう。そして、日本に自前の核抑止力を持つことを改めて促すものだ」と述べた。

WSJは「日本の最終的な安全保障は米国の防衛力と核の傘だ。日本が攻撃を受けた場合は米国が反撃することが、日米安保条約で保障されている」と強調。その一方で「危機に際して米国が頼りにならないとの結論に至れば、この姿勢が変わるかもしれない。あるいは日本として、たとえ信頼できる同盟国の判断であっても、それに自らの生き残りを託す訳にはいかないと判断することも考えられる。既に一部の政治家は、独自の核抑止力について話し始めている」と懸念している。

さらに「日本には民生用原子炉から得た核弾頭1000発分を超えるプルトニウムがあり、数カ月で核弾頭を製造するノウハウもある」と説明。「この展望は中国を警戒させるはずだ。核武装した地域のライバルが突如現れることになるからだ。東アジアが中東に続いて核拡散の新時代を迎えれば、世界の秩序に深刻なリスクをもたらす。それもあって、核ミサイルを持つ北朝鮮を黙認することはあまりに危険なのだ」と警鐘を鳴らしている。

米ブルームバーグ通信も「日本国民のおよそ4分の3は北朝鮮が日本に向けてミサイルを発射すれば、日本が先制打撃をしたり反撃を加えたりすることに賛成している」と解説。「中国指導部が北朝鮮の脅威を緩和しない場合、重武装した日本の登場は中国が支払うべき代償の一つだ」と指摘した。

韓国の中央日報は、この「中国代償論」を見出しに引用した社説で「日本再武装論が台頭している。日本内部よりも米国メディアが動いた」と言及。「北朝鮮の挑発も北風を受けて安倍晋三首相の支持率を上げる可能性が高い」などと論じている。

昨年6月、米国のバイデン副大統領(当時)は米公共テレビPBSのインタビューで、中国の習近平国家主席と会談した際、核・ミサイル開発を進める北朝鮮の説得を求める中で「日本は一夜で核兵器製造が可能」と発言したことを明かした。日本の核武装などをめぐる最近の米メディアの報道の背景には中国をけん制する上で、「日本カード」を活用しようとする米国政府の思惑も見え隠れしている。(編集/日向)

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