2017年9月2日、韓国・聯合ニュースによると、中国政府によるとされる、朝鮮半島への高高度防衛ミサイル（THAAD）配備に対する報復措置が続く中、韓国人旅行者が中国を避け、日本に向かっている。

韓国の旅行業界最大手・ハナツアーの8月の中国パッケージ旅行商品で中国に向かった旅行者は、前年同期比で36．7％減少した。今年第1四半期（1〜3月）の同パッケージ商品が11．8％増、また昨年は同11．3％増であった点を考慮すると、中国向け観光商品の販売低調が際立つ。中国政府は、朝鮮半島へのTHAAD 配備の経済的報復として、3月15日から訪韓団体観光商品販売の全面禁止措置を実施したとされる。

一方、日本向け旅行者は25．1％増加した。ハナツアーは潜在的な中国向け観光需要が日本に集まったと分析している。

また、タイ・ベトナム・フィリピン・マレーシアなど東南アジアを訪れる旅行者も30．2％増加した。フィジーなど南太平洋（17．2％増）とヨーロッパ（16．2％増）、米国・カナダなど北米（14．3％増）への旅行者も増加傾向を見せた。

8月の海外旅行の目的地別割合をみると、日本が39．8％で最も高く、東南アジア35．4％、中国11．3％、欧州6．6％、南太平洋4．7％、アメリカ2．2％だった。

この報道を受け、韓国のネットユーザーからは、「中国がやっていることは愚行としか言いようがない」「中国への経済依存度を下げなければならない」「中国はもううんざりだ」など、中国政府への批判の声が寄せられた。

また、「今、中国がやっているような事が、中国が日本に勝てない理由だ」「過去の歴史問題に関しては、日本を警戒して反省を促す必要があるが、日本は自由民主主義・市場経済を導入している国だから、今後も仲良く付き合っていかねばならない」「旅行するなら、東南アジアより日本の方がいい」など、日本に関連した意見も見られた。

その他に、「大韓民国は主権国家だ。国の中に何を配備しようが、外国からとやかく言われる筋合いはない」などとするコメントもあった。（翻訳・編集/三田）