日本の皆さんが開いてくれた送別会で、「穴があったら入りたい」ほど恥ずかしい思い―中国人学生

日本僑報社    2017年9月3日(日) 12時40分

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大連外国語大学の李達さんは、日本を訪れた際に貴重な体験をしたそうで、海外旅行で重要なことについて作文につづっている。資料写真。

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最近は、日本を訪れる中国人はツアー旅行から個人旅行へと移行し、買い物だけでなくより日本文化が体験できる旅を選ぶ人が増えつつあるそうだ。大連外国語大学の李達さんは、日本を訪れた際に貴重な体験をしたそうで、海外旅行で重要なことについて作文に次のようにつづっている。

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あれは大学1年生の日本語会話の授業でした。私は友達と一緒に、親子のやり取りについて発表しました。私が「母、行ってきます!」と言うと、先生は笑って「日本人はね、母とは呼ばないんですよ。お母さんと呼ぶんですよ」と言いました。「一番親しい母親のことなのに、なぜ日本人は敬語を使うんだろう」と不思議に思いました。しかし、日本に行ってその理由がわかりました。

日本での短期研修の間に、私はたくさんの日本人と仲良くなり、一つの家族になったような気がしました。帰国する前、皆さんが私のために送別会を開いてくれることになり、私は自分の送別会だからと思い、Tシャツとジーンズというラフな格好で行きました。とても楽しく過ごしていたのですが、二次会である年配の方から、「できれば今日は、スーツを着て参加してほしかったな」と言われ、私ははっとました。さらに「せっかく来たんだから、日本の文化を教えてあげましょう。それは親しき仲にも礼儀ありということですよ」と親切に教えてくれました。私は穴があったら入りたいほど恥ずかしくなり、自分の行動を反省しました。

その時、私は突然、1年生の時の「母」と「お母さん」の使い分けを思い出し、目から鱗が落ちました。日本人は親が一番親しい存在であると同時に、一番大切な存在でもあることを意識し、家族に愛情を持ちながらも、その呼び方については礼儀を重んじているのではないでしょうか。「親しき仲にも礼儀あり」、これが日本を訪れた私が得たものです。家族にも、友達にも、恋人にも、迷惑をかけた時「ごめんね」、何かもらった時「ありがとう」の一言を忘れずに、その関係を大切にしなければならないと思います。「親しき中にも礼儀あり」の大切さを教えてくれた日本人に出会えて本当に良かったです。

日本を訪れて、「爆買い」で求めた物の豊かさより、日本人の優しさや日本文化の素晴らしさが与えてくれた心の豊かさの方がもっと大切ではないでしょうか。私たち訪日中国人は様々なことを経験し、そして多くの日本人と交流することで、できる限り日本の文化を理解すること、これが一番重要なことだと私は思います。

日本での経験が今でも私の心に残っています。帰国後、我が国にも中国のことをよりよく理解しようと思っている日本人がたくさんいるだろうと思い、私は大学の中日交流の一環で、日本人に中国語を教えるボランティア活動に参加しました。この活動を通じて、中国のことをより多くの日本人に知ってもらいたいです。そして日本人との交流から、私も日本のことをさらに深く理解したいと考えています。(編集/北田

※本文は、第十二回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「訪日中国人『爆買い』以外にできること」(段躍中編、日本僑報社、2016年)より、李達さん(大連外国語大学)の作品「私の心に残った日本での経験」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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