中国人社員の目に映る日系の「企業文化」、彼らの共感を得るにはどうすべきか

月刊中国ニュース    2017年9月3日(日) 13時50分

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相手を納得させるために最も「効く」一言とは何か?資料写真。

相手を納得させるために最も「効く」一言とは何か?(文/李年古)

ある豪華客船が航海の最中に沈みだした。船長はどのように外国人乗客に呼びかけたら速やかに海に飛びこんでもらえるだろうか。船長は各国の乗客に次のように語りかけた。

アメリカ人に:「飛び込めば、あなたは英雄ですよ」

イギリス人に:「飛び込めば、あなたは紳士です」

ドイツ人に:「飛び込むのが、この船の規則となっています」

イタリア人に:「飛び込むと、あなたは女性にもてますよ」

フランス人に:「飛び込まないでください」

日本人には:「なぜうろうろしているのです?皆飛び込みましたよ」

各国の最大公約数の価値観に合致した説得ポイントを掴んだ見事な説得テクニックだ。この船長を企業経営者に置き換えると、昔の船長なら「飛べ」と言えば乗客は皆黙って言いなりになったかも知れない。しかし今の「乗客」すなわち従業員は、アメリカの経営の巨匠ドラッカーの言うように上司の言いなりにはならなくなっている。「知的な仕事に従事する社員に対して、企業は実績を求めることはできるが、企業に対する忠誠心まで求めることはできない」。上司はセールスマンのように部下の気持ちや価値観を尊重しながら納得してもらう必要があり、昔のように権威で相手を屈服させるのは難しくなっているという。これは中国人の職場意識、特に若者の考え方を代弁しているような指摘である。

■共感できない企業文化が社員の「活力」を殺す最大の凶器

職場において現地の中国人を納得させる目的は、個々の情熱や自主的なチャレンジ精神を引き出して、それを組織のビジョンや経営目標に向けさせ、実現していくことにある。

そのような社員の意識と気持ちを表す中国語のコトバに「活力」(フォリ)というものがある。身体的あるいは精神的なパワーを意味するもので、英語のvigorがそれに当たる。最近、中国の企業経営の現場では社員の「活力」をいかに引き出すかが企業の活力を測る目安となり、注目を集めている。

かつて中国の著名なビジネス誌『中外管理』は230社の人事部のトップマネージャーを対象に従業員の活力に関わる調査をした。回収された215のアンケート用紙から社員の活力を示す特徴の上位3位は「創造性」(60%)、「達成感」(60%)、「情熱」(53%)が並んだ。一方、その「仕事への活力」にマイナスの影響を与える要因として挙げられたトップ3は「企業文化に共感できない」(61%)、「従業員に生涯にわたる教育や指導が欠けている」(60%)、「コミュニケーション不足」(58%)だった。

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