インド新幹線の日本受注、中国メディアの反応さまざま、「中印国境紛争が敗因」の一方で「中国は負けてよかった」の声も

Record China    2017年10月8日(日) 9時50分

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日本が中国との受注合戦に勝った「インド新幹線」をめぐり、中国メディアがさまざまに反応している。中印国境紛争を敗因とする一方で、「中国は負けてよかった」と驚くような見方も飛び出した。写真は新幹線。

2017年10月7日、日本と中国が受注を争った「インド新幹線」をめぐり、中国メディアがさまざまな反応を見せている。最終的に日本に軍配が上がったが、中印両国は国境紛争を抱えているため、地政学的な要素が敗因との見方がある。その一方で、「中国は負けてよかった」と驚くような声も飛び出した。

インドの新幹線方式の高速鉄道は、西部グジャラート州アーメダバードと商都ムンバイの約500キロを現在の4分の1の約2時間で結ぶ。専用軌道を通し、途中に12カ所の駅を造る計画で、営業最高速度は時速320キロになる見込みだ。

9月14日に終点駅となるアーメダバードのサバルマティ駅近くの運動場で行われた起工式には、インドを訪問中だった安倍晋三首相がモディ首相と共に出席した。23年度完成予定だが、インドにはほかにも首都ニューデリーや南部の港湾都市チェンナイ間など6路線の高速鉄道計画があり、日本はいずれも受注を目指している。

人民網は「インドが日本の新幹線を選んだ本当の理由」との記事で、「日本とインドは中国にとってアジアの隣国であり、利益が一致することを前提としてどちらにも中国を押さえ込みたい衝動が存在する」と解説。「中日の高速鉄道プロジェクト争奪戦はインドでは日本が先んじたが、これは中国に技術や生産能力の優位性がないことを意味しない。インドの政治的指向の結果だ」と強調している。

中国の受注敗退について、環球網は論評記事を掲載。「中国は負けてよかった。さもなければ、今ごろとても大きな面倒を抱えていたことだろう。安倍首相は心の中で苦悶(くもん)しているかもしれない」と述べた。

その理由としては「インド国内では『高速鉄道は権力者や富豪たちの自己満足にすぎず、一般市民のためのものではない』との強い反発が出ている」と紹介。「インドのインフラはずさんな状況で、事故が頻発。(基本的な)インフラさえしっかりしていないのに、高速鉄道の建設など許されないとの声もあって、インドでの高速鉄道建設は一筋縄ではいかない」と論じた。

参考消息は香港メディアの記事を引用し、「日本がインドで建設する新幹線方式の高速鉄道は失敗するリスクが高い」と報道。「もし、このプロジェクトが失敗するようなことがあれば、日本とインドの関係もぎくしゃくするだろう」と伝えた。

この中では「1兆4600億円の円借款の利息はわずか0.1%で償還期間は50年と破格の待遇でプロジェクトを獲得した」と説明。しかし、「高速鉄道が成功するか否かは高いチケット代と大量の人の流れが必要だ」として、「例えば東京と大阪を結ぶ新幹線は1日350本以上走っており、年間の乗客数は1億6300万人に上るが、ムンバイとアーメダバードを結ぶ路線で同様の数字が得られるかどうかは確定できない」とみている。(編集/日向)

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