「火の州」トルファン 「暑さ」で生まれる新興産業

人民網日本語版    2017年8月17日(木) 13時30分

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新疆維吾爾(ウイグル)自自治区トルファン市は「火の州」とも呼ばれており、中国で有名な高温地域の一つだ。

新疆維吾爾(ウイグル)自自治区トルファン市は「火の州」とも呼ばれており、中国で有名な高温地域の一つだ。近年、トルファン市は高温の気象条件を活用し、「酷暑」ツアー、砂風呂体験、高温乗車試験、乾燥・高温地域での製品試験場などの新興産業を発展させている。トルファン市の高温は、地方経済の発展と産業のモデル転換を促す「暑いエンジン」となっている。

▽「火の州」は高温記録を頻繁に更新

中国で一番標高の低い内陸盆地に位置するトルファンは、四方を高い山に囲まれているため、熱が滞留しやすい。暑くなるのは早いが、冷えるのは遅い。気象機関のデータによると、毎年6月から8月にかけての平均気温は38度以上で、40度を超える日数は35-40日もある。夏の場合、正午の地表温度が75度以上に達する場合もある。

特に今年の夏至以降、トルファン市の温度は上昇し続けている。最高気温が40度以上の高温天気が連続13日間続いた後、7月10日の午後5時頃にトルファン市の気温は48.7度に達し、最も暑い一日となった。

▽「酷暑」ツアーが盛んに

独特な気象条件の影響を受けているため、トルファンのブドウは非常に甘い。日照時間の長さと平均気温の高さに加え、昼夜の温度差が大きいため、ブドウが糖分を蓄積するのに有利だからだ。だが、科学技術の発展と経済構造の転換によって、付加価値が低い量産型農作物の経済的優位性が消えつつあるため、トルファン市は地方経済を促進する新たな成長点を探している。

社会の成熟化によって旅行者の旅先での消費水準が向上するのに加え、観光ニーズがそれぞれ個性的に変容するにつれて、トルファンの「暑さ」に注目し、一風変わった旅行に来る観光客が増えてきた。火炎山観光スポットには毎日約3000人の観光客が訪れる。そのほか、砂漠で目玉焼き、砂風呂などの観光プロジェクトを体験しに来る観光客が多くなっている。

2016年、トルファン市は旅行、医療、居住、飲食などを一体化する6200平方メートルの「砂風呂体験センター」を建設した。同センターでは、砂丘の上に色鮮やかな日傘が置かれている。日傘の下で観光客らは体を砂の中に埋め、お茶を飲みながら会話を楽しめる。

▽企業が「暑さ」を追ってトルファンに

乾燥と暑さを売りにした製品試験場の誘致も、トルファン市の経済成長に大きく寄与している。トルファン市の市街地から約20キロメートルのところに、130ヘクタール余りの広大な砂漠がある。トルファン市質量技術監督局の龍艶萍副調査研究員によると、ここは中国で最も乾燥して暑い自然環境試験基準点と重要な高温地域試乗基地として認められたという。

同施設はそれぞれのエリアに分けられており、ガラス、ゴム、パイプ、照明器具、自動車座席、ハンドルなどの部品が整然と並び、過酷な環境下での製品の耐久性を試験している。

龍艶萍氏によると、昔は中国国内にこうした製品試験場がなかったので、多くの自動車企業は欧米まで出向いて試乗していた。トルファン市が建設した自然環境試験基準点と高温地域試乗基地は、国内のそうしたニーズに対応したものだという。

2016年夏には合わせて138社、延べ2000人がトルファンで車の試乗を行い、現地では宿泊、飲食、輸送、メンテナンスなどの産業を発展させるに至り、8000万元(約13億2500万円)の経済効果が生まれた。

かつて、トルファン市の高温度帯は産業と投資の発展にとって負の影響を与えるだろうと市政府は懸念していたが、今日では高温は資源となり、地元経済の発展に寄与している。(編集HQ)

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