朝鮮半島情勢の悪循環はいつ止むのか―中国コラム

人民網日本語版    2017年8月15日(火) 7時10分

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最近、朝鮮半島情勢が非常にきな臭い。

最近、朝鮮半島情勢が非常にきな臭い。(文:華益文・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

米朝は互いに脅し文句を口にし、言葉遣い激しく、舌戦を交互にヒートアップさせ、軍事力の相互誇示もあいまって、朝鮮半島情勢の悪循環はエスカレートしている。国際社会は、北朝鮮が非常に独特な言葉遣いで米国を批判することにとうに慣れっこになっているが、今回米国の国防長官さらには大統領までもが鋭い言葉で朝鮮との「舌戦」に加わったことは、いささか驚きだった。

今回の米朝の悪態合戦は、朝鮮半島情勢の推移に対する双方の見方が厳しさを増していることの反映であり、「強硬には強硬」の古い道を歩み続ける可能性がある。米韓は近く大規模合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」も実施する。北朝鮮を再び刺激し、新たな正面対立を引き起こす恐れがある。

朝鮮半島問題が新たな緊張を呈する中、習近平国家主席はトランプ米大統領と電話会談し、朝鮮半島情勢について意見交換した。習主席は中国側の立場を的確に表明した。すなわち(1)朝鮮半島の非核化実現、平和・安定維持において中米が利益を共有することを強調した(2)自制を保ち、朝鮮半島情勢の緊張を激化させる言行を避けるよう関係国に促した(3)朝鮮半島核問題の解決においては、結局のところやはり対話・交渉の堅持、政治的解決という大きな方向性を堅持する必要があると指摘した(4)相互尊重を基礎に米側と意思疎通を保ち、朝鮮半島核問題の適切な解決を共に後押しする意向を重ねて表明した。

朝鮮半島及びアジア太平洋地域は情勢の悪循環に耐えられないことを、各国は認識すべきだ。米朝の根深い相互不信及び朝鮮半島の特殊な地理・人口分布・軍事配備状況、口論が誤った戦略判断を招く危険があることを考えると、軍事的選択は数十万人、数百万人に塗炭の苦しみを与え、深刻な後遺症を残す可能性が高い。

朝鮮半島核問題の核心は安全保障問題であり、根本的原因は米朝の戦略面の相互疑心にあり、難点はいずれも対話の第一歩を先に踏みだそうとしないことにある。王毅外交部長(外相)が先日述べたように、中国側の示した「相互停止」提案と「デュアル・トラック」アプローチが、各国の最も差し迫った安全保障上の懸念を解決し、現在の情勢の悪循環を打破し、さらに平和交渉再開、窮地脱却の突破口を見出すものだ。現在、「相互停止」提案を理解し、支持し始める国が増えている。米朝など朝鮮半島問題の直接の当事国は自制を保ち、挑発的行動と好戦的発言を避け、無条件対話の意思を具体的に示し、情勢の緊張緩和のために共に積極的に努力すべきだ。

各国は言行を慎み、情勢の緊張緩和、各国の相互信頼の増進に資する事を行うべきだ。交互に武力を誇示し、情勢をエスカレートさせ続ける古い道を歩んではならない。中国が打ち出した大きな方向性と構想こそが、問題解決の道だ。(提供/人民網日本語版・編集NA)

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