九寨溝が地震で決壊、専門家「人工的な復元はしないほうがいい」―中国メディア

人民網日本語版    2017年8月12日(土) 11時20分

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四川省アバ・チベット族チャン族自治州九寨溝県で8日夜にマグニチュード(M)7.0の地震が発生。人民網の記者は10日午前、生存者を捜索する四川省消防総隊の隊員に随行した。

四川省アバ・チベット族チャン族自治州九寨溝県で8日夜にマグニチュード(M)7.0の地震が発生。人民網の記者は10日午前、生存者を捜索する四川省消防総隊の隊員に随行した。観光地の道路は大きく損壊し、名所の一部も損壊していた。人民網が報じた。

九寨溝景勝地入口から約15キロ進んだ所で、強大な岩が落下したため、道路が破壊され、全く前に進めない状態となっていた。また、道路脇では、最も長いところで約1キロにわたって地滑りが起きており、道路は土や大きな岩などがふさいでいた。幅10センチ以上の割れ目ができているところもあった。同景勝地内の名所の一部は、地震で橋が崩壊して水に浸かり、普段の美しさが消えていた。

◆火花海

九寨溝の名所の池・火花海は、双龍海と臥龍海の間に位置し、標高2187メートル、深さ9メートル。現地の人によると、同名所は、湖面に太陽が刺すと、さざ波がゆらゆらと煌くように見えるのが特徴で、火花が飛び跳ねるようなので「火花海」と呼ばれるようになったという。

今回の地震で、火花海は決壊。元々美しかった湖水の一部が干上がり、石灰化した白い底が露出している。また、観光用に設置された桟道も崩壊し、美しい景色は消えてしまっている。

震源地から約5.3キロ離れている火花海の土手も決壊し、水は干上がっている。

◆諾日朗(ノリラン)滝

チベット語で、諾日朗は「壮大かつ雄大である」という意味で、この滝の名前にピッタリだ。九寨溝のY字の真ん中に位置し、幅270メートル、高さ24.5メートル。中国国家地理雑誌に、「中国で最も美しい滝6カ所」の一つに選ばれたほか、1986年版「西遊記」のロケ地にもなった。

しかし、今回の地震で山崩れが起きたため、この壮大で雄大な滝の水が干上がり、逆に水がちょろちょろ流れていた所は激流となっている。

パンダ

パンダ海は箭竹海の下り坂の近くに位置し、九寨溝のパンダがここに来て、遊んだり、水を飲んだり、餌を食べたりするため、この名前で呼ばれるようになった。しかし、地震の影響で、美しい色だったパンダ海は濁ってしまった。

◆専門家「人工的な復元は勧められない」

10日夜、九寨溝火花海の決壊など、自然景観が損なわれてしまったのを受け、中国国家地震安全性評定委員会の副主任、中国地震局地質研究所の研究員、副所長を務める徐錫偉氏は取材に対して、「九寨溝の美しい景色は、自然の風景。元々、いろんな時代に起きた大地震の産物で、自然地理の変化の過程で形成されてきたため、人工的に修復することは勧められない」と指摘する。

そして、「今回の地震により、火花海の土手が決壊したというのは、ごく普通の自然地理の変化の過程で、決壊したところを人の手で修復するするというのは、得より損のほうが大きい。地震というのは自然の力であり、それが九寨溝に新しい景色をもたらす。景観が地震という自然の力で破壊され、人の手で修復すれば、それは『人工景観』であって、『自然景観』ではなくなってしまう。現在、自然が新しい景観を作ったのに、なぜそれをわざわざ元の姿に戻さなければならないのか」との見方を示す。

例えば、九寨溝の湖は美しい自然景観で、一定の地質、地形の条件下で、大地震などの自然の力量の影響を受けて形成された堰止湖だ。一部の人々が、景観が破壊されたことを残念がっていることに関して、徐氏は、「以前の景観が破壊されてしまったことは確かに残念だが、地震により新しい景観ができ、今後はそれを楽しむことができる。それを見るというのもいいチョイス」との見方を示す。(提供/人民網日本語版・編集KN)

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