<コラム>日本の若者にはこの140年間の「日中外交の歴史」を自分で調べてほしい

工藤 和直    2017年8月14日(月) 7時19分

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今年2017年に、日中国交正常化45周年を迎える。これに向け、日本でも多くのイベントが開催されている。写真は児童が描いた日中友好の絵。

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中国には「不打不成交」と言う格言がある。「ぶつかりあいをして始めて本音の交わりが生まれてくる」と言う意味である。ケンカしないようでは本当に付き合いが生まれないという事だ。

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今の日中関係を質問される時にいつも言うのが、「日中で違う夫婦ゲンカ」である。日本では「夫婦ゲンカは犬も食わない」と言って、誰も関わらないし、家の中で派手なケンカをやる。中国ではそうでないし、そうあるべきと思っているが、中国の夫婦ゲンカは「打是親、罵是愛」、すなわち「相手を殴るのは親しいからであり、罵るのは愛の表現」だと言う。だから、日本の夫婦ゲンカのように家で陰湿なケンカはしない。外に出て人前で大きな声で「どちらの意見が正しいか、皆さん聞いて下さい」と言わんばかりに堂々とやる。最後は、嫁が旦那を履いていたスリッパで殴る光景を何度か見た。

今年2017年に、日中国交正常化45周年を迎える。これに向け、日本でも多くのイベントが開催されている。思い出せば、40周年にあたる2012年は不幸な事に尖閣問題から9月15日には日系のデパートや自動車販売店、日系企業に対しても抗日暴動事件(写真参照)が発生し、多くのイベントがキャンセルされ、その後、日中間の外交は民間レベルでも開催がされなかった経緯がある。

今後の日中間の友好を深める上で、両国は住民票を移転することが永久にできない夫婦であることを意識し、民間レベルの草の根の交流による「草莽(そうもう)活動」をもっと進めることが大事である。

これからを作る両国の若者が多く交流し、お互いを知れば知るだけ人間は同じだと分かる。そのためにも日本の若者にはこの140年間の「日中外交の歴史」を多く自分で調べてほしい。お互いの政府は、問題を先送りして、隠そうとせず、問題を第三国に見てもらい新たな信頼関係を築いて行くべきではないかと感じている。政府高官の交流と合わせ、日中双方の大学の歴史学者同士の交流も進めるべきである。

政府トップ間の交流が途絶えたこの数年だったが、中国は米国をはじめ周辺諸国と問題を起し、少しは日中間に良い方向が見えて来ている。今回の第三次安倍内閣は外交も重視した布陣となった。習近平主席も福建省書記時代は、長崎県や沖縄県との交流を促進した親日家であり、李克強首相も日本に長く居た親日家である。今年秋からの新体制でトップ7になる方々には多くの親日家が居るだろうと予想する。これほど明るい題材はない。

■筆者プロフィール:工藤和直

1953年、宮崎市生まれ。韓国で電子技術を教えていたことが認められ、2001年2月、韓国電子産業振興会より電子産業大賞受賞。2004年1月より中国江蘇省蘇州市で蘇州住電装有限公司董事総経理として新会社を立上げ、2008年からは住友電装株式会社執行役員兼務。蘇州日商倶楽部(商工会)会長として、日中友好にも貢献してきた。

■筆者プロフィール:工藤 和直

1953年、宮崎市生まれ。1977年九州大学大学院工学研究科修了。韓国で電子技術を教えていたことが認められ、2001年2月、韓国電子産業振興会より電子産業大賞受賞。2004年1月より中国江蘇省蘇州市で蘇州住電装有限公司董事総経理として新会社を立上げ、2008年からは住友電装株式会社執行役員兼務。2013年には蘇州日商倶楽部(商工会)会長として、蘇州市ある日系2500社、約1万人の邦人と共に、日中友好にも貢献してきた。2015年からは最高顧問として中国関係会社を指導する傍ら、現在も中国関係会社で駐在13年半の経験を生かして活躍中。中国や日本で「チャイナリスク下でのビジネスの進め方」など多方面で講演会を行い、「蘇州たより」「蘇州たより2」などの著作がある。

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