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重慶市が一人っ子を対象とした「親孝行休暇」制度の立法化を計画しているというニュースが、広く社会の関心を集めている。
重慶市が一人っ子を対象とした「親孝行休暇」制度の立法化を計画しているというニュースが、広く社会の関心を集めている。数年前から、河南・福建・広西・海南の各地で、同様の政策が施行されており、一人っ子向け「親孝行休暇」の日数は、10日から20日とさまざまだ。この政策の実施によって、百の善行のうち一番先に来る「親孝行」が、より実行しやすくなることが期待される。中国新聞網が伝えた。
〇国内各地で一人っ子の「親孝行休暇」制度を導入 河南省は年間20日まで取得可能
空の巣老人の孤独を紛らわせるため、彼らの話し相手になる、広西柳州コミュニティが組織した「叨叨団」のメンバー (撮影・林馨)
改正版「中華人民共和国老人権益保障法」では、家族は高齢者の精神面でのニーズに関心を持ち、それを軽視してはならず、高齢者を粗末に扱ってはならないと規定されている。高齢者と離れて暮らしている家族は、たびたび高齢者に会いに行かなければならない。
各地でも、次々と関連政策が制定されており、一人っ子の両親の権益が保障されている。大まかな統計データによると、これまでに、河南・福建・広西・海南の各地で関連規定が発表されており、一人っ子の親が入院した場合、休暇を取る権利があることが明示されている。
このうち、河南省の一人っ子向け親孝行休暇の日数が最も長く、年間累計20日までと定められている。広西チワン族自治区と海南省は、年間累計15日まで、福建省は年間累計10日までとなっている。
このほか、これらの地方の多くは、「一人っ子の親が満60歳以上である」という適用条件が付いている。また、休暇期間中の給与や福利厚生は変わらないことが強調されている。
〇「親孝行休暇」の全国展開を待ち望む国民
杭州翠苑一区の「高齢者専用駐車スペース」(撮影・張斌)
一人っ子の親孝行休暇が制定されたことで、多くの高齢者が嬉しく思っている。彼らの多くは、本政策が全国的に展開され、自分もその恩恵にあずかれることを期待している。
一人娘である80後(1980年代生まれ)のホワイトカラー、劉◆◆(◆は草冠の下に千)さんは、一人っ子の親孝行休暇に関する報道についてある程度知っており、「将来は、このような制度をぜひ活用したい」と話している。
劉さんは今、北京にある大型国有企業に勤務している。社内での競争のプレッシャーが大きいことから、彼女や同僚たちはこれまでずっと、休暇申請のために「緻密な計算」をする必要があった。
劉さんは、次のように話した。
「現在の社内制度によると、親の体調が悪いため休暇を申請する場合、社員は年次有給休暇を利用するか、もしくは『欠勤』を申請しなければならない。もし『欠勤』扱いになれば、その日の給料分は月給から差し引かれる。欠勤の日数が多い場合は、季節ボーナスや年度ボーナスに響くことになり、それではコストが高すぎる」と説明した。
「私たち一人っ子が直面する、親の面倒を見なければならないというプレッシャーは極めて大きい。仕事のリズムは速くなる一方で親は日々年老いていき、私たちがやらなければならないことはどんどん増えていく。結婚して子供ができると、家族構成は『421家庭』(両祖父母と両親と一人の子どもからなる家族)となり、4人の高齢者の面倒を見ることは本当に大変だ」。(編集KM)