さだまさし「命を守ることができれば、人はかならず立ち直れる」=中国大陸への思いも―主宰の『高校生ボランティア・アワード2017』に期待

八牧浩行    2017年8月9日(水) 5時0分

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8月9、10の両日、「高校生ボランティア・アワード2017」が埼玉県のさいたまスーパーアリーナで開催される。これを前に、主催の「風に立つライオン基金」創設者のシンガーソングライター、さだまさしさんが、日本記者クラブで思いを語った。

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2017年8月9、10の両日、「高校生ボランティア・アワード2017」が埼玉県のさいたまスーパーアリーナで開催される。これを前に、主催の公益財団法人「風に立つライオン基金」創設者のシンガーソングライター、さだまさしさんが、日本記者クラブで思いを語った。

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さださんは、へき地医療、災害救援の従事者を支援する「風に立つライオン基金」団体を2年前に創設、このほど公益財団法人の認定を受けた。団体設立後の2年間だけでも、茨城、熊本、岩手、鳥取など被災地を訪れ、義捐金を手渡す活動を続けてきた。

さださんは「命を守ることができれば、人はかならず立ち直ることができる。たくさんの人たちの力をいただき、お叱りを受けながらやっていきたい」と語った。「30年以上も前、アフリカに行ったときに熱帯の風が吹いてきた。風に向かって立つライオンでありたいと思った」と振り返る。その時に作った『風に立つライオン』が87年にヒットし、後年映画にもなった。この楽曲は、若き医師がアフリカの地で、遠い日本を想いながらも、病や怪我に苦しむ人々の命を守る姿―。それはまるで、強い風に吹かれながら独り立ち続けるライオンのようだと歌う。

さださんは、1970年代半ばに、フォークデュオのグレープ時代に出した『精霊流し』、『無縁坂』がヒット。76年に独立してからも「雨やどり」「関白宣言」「親父の一番長い日」「北の国から」など、数々のヒット曲を生み出す。小説家としても活動し、『解夏』『眉山』などの作品を発表している。

長崎県出身のさださんには、親族に原爆被災者がいることもあって、戦争の悲惨さを訴え、平和を希求するテーマの楽曲が多い。さださんの祖父母が中国大陸にいたため中国に郷愁を抱き、友好を願う気持ちが強い。1980年9月には、北京展覧館でコンサートを行っている。81年7月、自ら監督・主演した長編ドキュメンタリー映画『長江』を製作。長期中国ロケによって、長江(揚子江)の流域の雄大な自然と人々の生活を描いた。

さださんは記者会見で「20歳の時にデビューして45年、歌とともに生きてきた。多くの方々に支持され、名も知られるようになった。売名行為と見られないか悩んだが、何らかの形で世の中のために役に立ちたいと考えた。一人ひとりの小さな思いが、多くの小さな生命を支えられる」と語った。トークの軽妙さは、テレビ、ラジオ、コンサートなどでおなじみである。

「風に立つライオン基金」は、国内外の僻地医療や大規模災害の復旧現場などで奉仕活動をする個人や団体に対し、物心両面からの支援を提供。個人や企業、団体に対して寄付を呼びかけている。

「高校生ボランティア・アワード2017」は、全国の高校生の皆さんが日頃から続けている「ささやかで偉大な活動」を応接する「顕彰プロジェクト」。「阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震など、近年頻発する大地震や豪雨による被災地を訪ねるうち、避難所でボランティアとして頑張っている高校生の皆さんに出会い、彼らの笑顔に私たちが勇気づけられ、元気をもらうことが何度もあった。そうやって困っている人を助けたり、勇気づける活動をしている若者を讃えたいと思った」と、同アワード開催のさっかけを明かした。

活動の規模や内容の優劣を競い合うことが主眼ではなく、「志」を同じくする者同士が集い、励まし、語り合う「交流会」としてこの大会を企画。ボランティア活動を行っている高校生が、学校や活動分野の垣根を越えて自由に交流し、互いの活動に対する理解を深め、切磋琢磨してもらうことが目的だ。

さださんは、「次代を担う生徒が社会に対してどんな行動をすべきかを考え、人のために行動することが自分自身の成長につながることに気付く。そんな強くてやさしい心を育んでほしい」と願っている。「高校生ボランティア・アワード2017」では、全国から選抜された101の高校がボランティア活動について発表。一般来場者による投票と審査員による審査を総合して表彰校を決める。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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