<コラム>韓国のあの美徳はかすれてきてしまった、韓国の若者が銘記すべきこと

木口 政樹    2017年8月1日(火) 23時50分

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今回は韓国の小話を一つ。写真は韓国・ソウル。

今回は韓国の小話を一つ。

82歳と父親と52歳の息子が部屋で2人、寝転んでいる。おばあさんと息子の妻は、台所で後片付け。と、窓にカラスが止まった。

82歳の父親が息子に問う。

「あれは何だい?」

「カラスだよ」息子は答える。

父親は二度、三度、四度、同じ質問をする。「あれは何だい?」「カラスに決まってるだろ。何べんおんなじことを聞くんだよ!」と息子は激しく腹を立てた。すると父親が自分の部屋に入っていき、何やら持ち出してきて言う。これを読んでみな、せがれよと。それは48年前の日記帳であった。

2人で散歩していて、木に止まっているカラスを指差して4歳の息子が問う。

「あれは何ていうの?父ちゃん」

「あれはな、カラスっていうんだ、息子よ」

しばらくするとまたカラスが木に止まった。

「あれは何ていうの?」

「あれはカラスだよ」

息子は同じ質問を24回繰り返す。父は子に言う。「お前は天才だ、息子よ。おんなじことを24回も聞くんだもの。そんなことは天才にしかできないものだ」。

親を敬愛する文化が色濃いお国柄の韓国ならではの小話だと思う。敬老精神の強い韓国でも、今はこのように親を見下げののしるような情けない状況に陥っているということが伝えたいテーマであろう。こちらで生活している体感としては、お年寄り方を大切にし敬う文化のあることは確かだ。しかしこの小話にもみられるように、最近はそういう美徳はかなりかすれてきてしまっているのも事実。

のそのそしていて道を渡るのが遅いといって若者が老人を蹴飛ばす、などという事件も時折テレビで目にする。国や文化を越え、お年寄りという存在は大切にしたいものである。いずれ必ず自分もそうなることを、若者も中年も常に銘記すべしと思うのだ。

■筆者プロフィール:木口政樹

イザベラ・バードが理想郷と呼んだ山形県米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結婚。三星(サムスン)人力開発院日本語科教授を経て白石大学校教授(2002年〜現在)。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。

■筆者プロフィール:木口 政樹

イザベラ・バードが理想郷と呼んだ山形県・米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結婚。元三星(サムスン)人力開発院日本語科教授、元白石大学校教授。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。著書に『おしょうしな韓国』、『アンニョンお隣さん』など。まぐまぐ大賞2016でコラム部門4位に選ばれた。

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