「新四大発明」が中国のイノベーションのイメージ構築に貢献

人民網日本語版    2017年7月26日(水) 5時20分

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「一帯一路」(the Belt and Road)の参加国20カ国の青年による投票で、「高速鉄道」、「支付宝」、「シェア自転車」、「ネットショッピング」が、中国の「新四大発明」に選ばれた。

一帯一路」(the Belt and Road)の参加国20カ国の青年による投票で、「高速鉄道」、「支付宝」、「シェア自転車」、「ネットショッピング」が、中国の「新四大発明」に選ばれた。古代中国の「四大発明」が世界の進歩を促進したのに続き、テクノロジーイノベーションを活用して、中国はその発展理念を世界に発信している。新華社が報じた。

「露店のおばさんまで支付宝を利用」

17年4月12日、電子決済サービス「Paytm」のQRコードを掲げているインド・ニューデリーのある家電店。支付宝の親会社「Ant Financial(アント・ファイナンシャル)」は15年からPaytmに対して、投資と技術サポートを行っており、現在Paytmはインド版「支付宝」に成長。インド最大のモバイル決済プラットフォームになっている。(撮影・畢暁洋)

カンボジアから来た留学生の林金隆さんは、「中国で外出する時は財布を持たずに、スマホを持って出れば、買いたいものを何でも買い、食べたいものを何でも食べることができる。煎餅(ジェンビン、中国風クレープ)を売っているおばさんまで第三者決済サービス・支付宝を利用している」と話す。

北京外国語大学シルクロード研究院が、「一帯一路」参加国20カ国の青年に聞いた、「最も自国に持ち帰りたい中国のライフスタイル」という質問に、林さんは「支付宝」と「ネットショッピング」を選んだ。

同研究院の呉浩執行院長は取材に対して、「この調査の結果を見ると、回答が高速鉄道、支付宝、シェア自転車、ネットショッピングの4つに集中していたため、『新四大発明』というようにまとめた」と説明。

「4つともテクノロジーと関係があり、中国のテクノロジーイノベーションが大幅に国民の生活の質を向上させていると言える。『一帯一路』参加国から中国に来ている留学生はそれを身にしみて感じている」と指摘する。

中国で暮らしている国際組織の職員が感じていることも同じだ。

世界保健機構(WHO)の在中国代表・施賀徳氏は自転車が大好きといい、微信(Wechat)のプロフィール画像も自転車だ。さらには微信のソーシャル機能「モーメンツ」に、中国で話題のシェア自転車に関する情報をよく転載している。

「安くて便利なシェア自転車により、自転車が人々の生活に戻って来た。シェア自転車は、目的地までを点と点で直接つなぐツールとして、人々のニーズをうまく満たし、公共交通機関の魅力も増した。そして、とても便利で、身心の健康にも一役買っている」と施さん。

「中国は新イノベーション時代に突入」

「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント) となった16年11月11日、阿里巴巴(アリババ) 傘下のビックデータ物流プラットフォーム企業・菜鳥網絡の全自動スマート倉庫で、商品を入れる箱をスマートレーンに流すスタッフら。(撮影 ・陳君清)

シェア自転車は単なる自転車ではなく、GPSやモバイル決済、ビッグデータなど、数々のテクノロジー成果の総括ともいえる。中国の起業者は世界に先立って、それらのテクノロジーの要素を一つにしたシェア自転車を開発し、すでにシンガポール英国などの海外市場にも進出を果たしている。

この現象について、施氏は、「中国は新イノベーション時代に突入している」とし、その原因について、「政府が多額の資金をイノベーションに投じ、その成果がたくさん生まれている。そして、人々により多くの選択肢を提供し、生活の質を向上させている」との見方を示す。

米イノベーション研究機構・シリコンドラゴンベンチャーズの創始者のRebecca Fannin氏は、「中国のテクノロジーイノベーションは急速に発展している」と指摘する。

Fannin氏は頻繁に中国を訪問し、複数のハイテク企業の成長の過程を深く研究し、「シリコンドラゴンベンチャーズ:中国はハイテクコンテストでいかに勝利したのか」と題する本も刊行している。

そんなFannin氏は、「モバイル決済やネットショッピングなどのテクノロジーは米国に起源を発するものの、中国は猛スピードでパーソナルコンピューターや大型ショッピングセンターの時代を超えて、すでに米国の前を走っている。中国のモバイル業務の多くの分野が最先端」との見方を示す。

日本の独立行政法人科学技術振興機構・中国総合研究交流センターの専門家の米山春子氏は、「中国ではテクノロジーが生活の中でたくさん応用されている」とし、高速鉄道、支付宝、シェア自転車などを例にして、「ここ10年の日本はイノベーション発展において、中国に後れを取っている」と語る。

「中国、ひいては世界の経済発展を促進」

7月9日、蘭州西駅で初の出発を待つ、蘭州鉄道局が運行する陝西省の宝鶏と甘粛省の蘭州を結ぶ宝蘭高速鉄道・G2028号の車両(左)。(撮影・陳斌)

英市場調査会社・Forrester Researchの首席アナリストは、「新四大発明」に言及した際、「これら全ての概念、ビジネススタイル、関連のテクノロジー全てが中国に起源を発しているわけではないが、それらの商品、サービスは、旅行者や消費者、市民により良い体験を提供し、中国、ひいては世界の経済発展を促進している」と分析する。

イノベーションが、中国経済の発展に大きな原動力を提供している。最近発表された今年上半期の経済統計によると、中国の国内総生産(GDP)は前年同期比で6.9%成長し、引き続き世界経済を牽引していることを示した。また、2016年、中国の経済発展に対するテクノロジーの進歩の寄与率は56.2%に達した。

多くの外国人が中国の成果を活用して自国の経済発展を促進したいと考えている。林さんは、「カンボジアには鉄道が2路線しかなく、スピードも遅いため、300キロ進むのに約8時間かかる。でも、中国の高速鉄道に乗ると、100キロ以上ある北京と天津の間を30分で移動できる」と話す。

そして、「中国人はよく『裕福になりたければ、まず道を整備しろ』と言うが、カンボジアに高速鉄道ができれば、経済がもっと早く発展するのに」と語った。

呉院長は、「林さんの言葉は、『一帯一路』参加国の青年が中国の生活に溶け込んでいるテクノロジーの成果を自国に持ち帰り、自国の発展とマッチングさせたいと願っていることを示している。もっと広い視点で見ると、『新四大発明』の海外への発信は、中国の『イノベーション、調和、エコ、開放、シェアリング』の五大発展理念の反映であり、世界の舞台において中国のスタイルや特徴が発揚されている」との見方を示す。(編集KN)

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