<中国人観光客が見た日本>日本は傷だらけの子ども、それでもたくましく生きている

Record China    2017年7月26日(水) 19時30分

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日本を訪れた中国人観光客が、その時の思い出をブログにつづっている。写真は熊本城。

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日本を訪れた中国人観光客が、その時の思い出をブログにつづっている。

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<福岡のカラス>

カラスの鳴き声を聞いてやっと分かった。子どもの頃、日本のアニメを見ると必ずカラスの鳴き声が聞こえてきたのがなぜか。福岡の大濠公園にある石橋で、カラスがまったく人を怖がらず自分のテリトリーに止まっているのを眺めた。地面にはパンくずがたくさん落ちていて、カラスは上から様子をうかがって、くるりと旋回してから飛んで行った。

中国の神話のなかでは、カラスは常に不吉な生き物の象徴だ。黒い身体に、甲高い鳴き声は、古代の人々にとっては吉凶を占う存在だった。単なる見た目や声による差別かもしれない。白いハトはなぜ平和の象徴なのだろう。黒はなぜ暗闇の象徴なのだろう。仲間たちは、カラスはいいなと言った。中国から飛んできたのなら、ビザを取る必要もないと。たしかに、気に入った場所に巣を作ればいい。何も気にせず、気楽に生きていける。福岡のカラスが中国のある西へ飛んで行くこともあるのだろうか。

<熊本に残る震災の傷跡>

熊本市は小さな街だ。かわいらしい黒いクマが県のPRマスコットキャラクターになっている。漢装に着替えて、水前寺の成趣園を歩いた。清水をすくって飲んでみると、とても甘い。昔から伝わる井戸だ。昔の人々が飲んだ井戸の水を、自分も今飲んでいる。同じ味だったのだろうか。

熊本城は地震で被害が出た。木は倒れ、城の石垣も崩れた。移動中、景色を見ながら、震災当時の話を聞いた。どの国にも神様がいるとしたら、日本はあまり愛されていない子どもなのだろうかと思った。地震に噴火、洪水と、災害が次々に襲いかかり、そのたびに再建される。その繰り返しだ。日本は傷だらけの子どものようだ。それでも、たくましく生きている。

<無心で見る世界>

京都で過ごす間に、僧侶の指導の下、参禅する機会を得た。枯れ山水の庭園を前に座禅を組んだ。海は砂利で表され、魚は岩で表現されている。枯れ山水は中国の故事をモチーフにしているそうだ。登竜門の故事だという。私たちは同じ文字と異なる言葉で交流した。雑巾で板戸についたコケを拭き取る作務奉仕をした。軒瓦の瓦当をさわってみると、あしらわれているハスの花が咲き乱れるような、乾いた音が聞こえた。

早朝、晩に降った雨で落ちた葉を竹ぼうきで掃き集め、裏の竹林に帰した。寺の裏側には多くのお墓があった。昔から人の生死を恐ろしく感じてきたが、自然と墓の周りの雑草を抜き、落ちてきた葉を掃いてきれいにした。そうしながら、かつてあなた方は私たちを侵略したけれど、私は今あなた方のお墓を掃除している。人の一生はまるで水の流れのようで、残るのは石のお墓だけだ。心の中で、そうつぶやいた。枯れ山水の砂利の海で落ち葉を集めていると、きくらげが落ちているのに気付いた。拾って手のひらに載せてしばらくするうちに、捨てがたくなってしまった。(翻訳・編集/岡田)

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