無人スーパー、中国での発展には課題も

人民網日本語版    2017年7月11日(火) 15時30分

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スーパーにいるのは買い物客だけで、店員の姿はない。このような「無人スーパー」が最近、上海の街に登場した。記者も真っ先に上海にある「繽果盒子」無人スーパーを体験した。中国放送網が伝えた。

スーパーにいるのは買い物客だけで、店員の姿はない。このような「無人スーパー」が最近、上海の街に登場した。記者も真っ先に上海にある「繽果盒子」無人スーパーを体験した。中国放送網が伝えた。

夜8時頃、上海中環の江場西路にある無人スーパーを取材した。このスーパーの敷地面積は10平方メートルほどで、両面が透明なガラスになっており、店内に陳列されている商品がよく見えるようになっている。実名制の認証方式を採用しており、市民はQRコードをスキャンしてアプリにログインし、フォローするとドアが開き、店内に入ることができる。

無人スーパーは一般的なスーパーと変わらず、冷蔵ケース内には飲み物や食品、それから日用品が並べられている。商品を電子識別装置内に置き、QRコードをスキャンするか支付宝(アリペイ)を使用して決済する。決済を終えると、ドアが自動的に開く。また商品を何も手にしていない場合もドアを開くことができる。商品を購入後も料金の支払いを終えていない場合は、ドアが自動的に警報を発し、カスタマーセンターに通報する。

店内には5−6分ほどいたが、家にある電話のような音を耳にした。ドアにある監視カメラのところに丸いボタンがあり、これを押せば、カスタマーセンターの担当者が「何かお困りですか」と聞いてくる。このように無人スーパーといっても、やはりサービス担当者は存在するのだ。

またスーパー内には、監視カメラが多く設置されている。スキャンして商品を手に入れるまで、初めてでなければ購入に必要な時間はせいぜい1分程度で、一般的なスーパーよりもより便利だ。

IT大手のアマゾンは昨年末、驚くべき未来の実店舗を紹介する短い動画を発表した。消費者は店に入り、携帯電話の「Amazon App」をスキャンし、自分が気に入った商品を買い物袋に入れ、店をそのまま出るだけで購入できる。列に並ぶ必要も、レジ待ち時間もない。

このようなショッピングの体験はもはや映像だけにとどまらない。アリババや繽果盒子、ローソンなど多くの企業が、「無人スーパー」事業を展開すると発表済みだ。アリババは「淘宝造物節」で、無人ショップ「淘カフェ」を発表した。国内で初めて実用化された無人コンビニ「繽果盒子」は今月3日、Aラウンド融資で1億元(約16億5000万円)を調達し、年内に国内で5000店の開設を計画している。

繽果盒子市場部バイスプレジデントの王瑩氏によると、同社の店は主に閉鎖的・半閉鎖的な高級団地内に展開し、主に便利な緊急用品(飲料、インスタント食品、女性用品など)を取り扱うという。人を雇う必要のあるスーパーと比べ、人件費を大幅に削減できるということで、「当社は2チームに分かれている。1つは運営を管理するチームで、商品の補充、清掃、整理といった店の運営を担当する。彼らは1人で20店舗を担当できる。もう1つはカスタマーサービスのチームで、安全面の監視など、利用客が必要とするニーズに対応する。彼らは1人で50店舗の需要に対応できる」とした。

また店内の利用客の一挙手一投足は、サプライヤーにとって貴重な消費データになる。無人ショップ内で、従来の小売業では得られなかった情報を手に入れることができるからだ。

アリババ傘下のアント・ファイナンシャルのスタッフである潘暁凌氏によると、センサーと機械ビジョンにより、利用客が店の前に立ち、無意識にまずどこに目を向けるか、大多数の人が特定の位置に目を向けたのならば、そこが最も重要な位置になるといったデータを蓄積できるとしている。

大手の参入により、無人ショップは新たな注目株とみなされている。しかしインターネット専門家の王越氏は、「これは未来の生活の方向性を示すが、無人ショップはそれにとどまらず、新技術や新しいシーンの試験田をより体現するものであり、利益創出は無人ショップの短期間内の主な目標ではない。現在の初期段階は投資が中心になる。これは多くの間違いを掘り出す必要があるからだ。初期段階はシェア自転車と同じく、多くの企業が登場し、1−2年で淘汰されるだろう」と述べた。

一方で、業界関係者は無人ショップの発展には多くの弱点があるとしている。まず中国にはセルフ購入の消費習慣がなく、無人ショップにおける商品の紛失率、設備の消耗率、店内の衛生などを考慮しなければならない点。また現在のところ無人ショップに入店するには、消費者はまず微信(WeChat)もしくは支付宝により身分認証を受けなければならない。これは高齢者といった消費者のスムーズな利用に対して、高いハードルとなる。業界関係者は、「若者はすぐに受け入れるだろう。どこでも誰でも使用できるようになるという課題を解消するには、時間が必要だ」とした。(編集YF)

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