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7月7日、ドイツのハンブルクで2017年のG20サミットが幕を開ける。
7月7日、ドイツのハンブルクで2017年のG20サミットが幕を開ける。(文:劉偉・中国人民大学学長。人民日報掲載)
現在、世界経済は低い水準で推移し、貿易も投資も低迷している。欧州は難民問題の影響を深く受け、選挙イヤーにあって政局の動揺に直面している。反グローバル化と反保護貿易主義が再び世界を席巻し、ポリュリズムがますます勢いを増している。グローバル経済の見通しが複雑化し不確定性が日に日に顕在化し、不安と期待が入り交じり、課題とチャンスが共存している。
こうした背景の下、G20サミットは国際経済協力の重要な話し合いの場として、2016年に中国の杭州で開催された際には「革新的で、活力ある、連動した、包摂的な世界経済の構築」とのテーマをはっきりと打ち出し、グローバル経済の「病巣」に向けて「中国の処方箋」を出した。16年12月にはドイツが中国から議長国のバトンを受け継ぎ、17年サミットのテーマを「つながる世界を形づくる」と確定した。17年は世界経済の版図が引き続き変化し、世界の成長の原動力が大きくモデル転換する重要な年になる可能性があり、G20の発展の歴史の中で一つの重要な節目になる可能性もある。G20メカニズムの下でグローバル経済の持続可能な発展をさらに推進していくにはどうすればよいかが、掘り下げて検討すべき問題になる。
G20はグローバルリスク対策の「免震装置」となるべきだ。ここ2年ほどの間、世界経済は新たな「寒流」に直面しており、大手エコノミーはそれぞれ自国に降りかかった雪を払うのに躍起になりつつある。一方で各中央銀行の逸脱した金融政策情勢が世界の金融システムの今後の発展に不確定性をもたらしており、また一方で米国や欧州などの税収政策をよりどころとしたグローバル競争が日に日に白熱している。グローバル経済のリスク要因は絶えず積み上がっており、G20を通じて各国の協力を強化し、より開放的な姿勢で世界経済の病巣に直面し、共同連動の協力モデルによって世界各国の発展のアンバランスという難題を打破することが必要だ。
G20は世界の持続的発展の「動力源」になるべきだ。グローバル経済のガバナンスのリバランスに必要なものは持続可能で、包摂的で、相互に連携した発展だ。世界経済の持続的発展を実現すれば、G20メカニズムの下で世界の革新システムを構築し、世界の多方面にわたって経済ガバナンス協力を推進することが可能になる。革新の主体、革新の原動力、革新製品の販売市場、各種の異なる主体の間の相互連動を強化すれば、世界経済に新たな成長の原動力を注入することになる。
G20はグローバルガバナンスシステムの「総合ターミナル」になるべきだ。トップレベルデザインを通じて常態化された協調ネットワークを段階的に構築し、BRICSをはじめとする多国間協力メカニズムとの連携を重視し、BRICSなどのメカニズムをG20の大きな政治的方針の共同請負人にする。これと同時に、G20メカニズムの下、「一帯一路」(the Belt and Road)イニシアティブとの連携を推進し、「一帯一路」の議題をG20の協力の範疇に組み入れ、世界規模でG20プロセスに対しより幅広い視野、より力強い原動力を提供し、G20をグローバルガバナンスシステムの「ターミナル」にすることは完全に可能だ。(編集KS)