中国が製造業の“さび落とし”、工場をイノベーションパークとして活用―英紙

環球網    2017年7月9日(日) 16時20分

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英紙フィナンシャル・タイムズは6日、「中国、イノベーションを通してラストベルトの錆(さび)を取る」と題する記事を掲載した。写真は重慶市。

英紙フィナンシャル・タイムズは6日、「中国、イノベーションを通してラストベルトの錆(さび)を取る」と題する記事を掲載した。

重慶のアスベスト工場のドア付近に毛沢東時代のポスターが掛かっている。このポスターは当時の労働者たちの感情を高めることができたかもしれないが、現在では、これは一種の芸術作品であり、巨大な急須や滴の垂れる蛇口などの彫刻とともに、重慶で最も流行しているアートスペースの雰囲気を盛り上げている。

この元工場にはすでに数多くのギャラリーとカフェが並び、「芸度創・文化イノベーションパーク」と新しく名付けられた。関係する宣伝資料には「イノベーション産業を発展させ、レジャー文化産業へとモデルチェンジする」という、人の心を奮い立たせる新しいスローガンが書いてある。

多くの場合において、この手の工場は知的産業を引き付ける「グリーン地帯」を目指してモデルチェンジし、安い賃料と新たなレジャー・文化施設、特別な工業デザインによってハイテク産業やイノベーション企業を引き付けようとする。

このイノベーションパークは中国の経済発展が新しい段階に入った象徴である。中国各地ではサービス業と消費産業へ場所を譲るため、供給能力過剰と環境汚染問題に悩む重工業の工場を閉鎖させたり、それらを郊外に移設しているのだ。

重慶市大渡口区では、納税の大黒柱である製鉄所はすでに市外に移転してしまった。代わりにできた喫茶店や芸術品の店舗などはまだ移転による経済的な穴を埋められてはいないという。経済学者のJohn Litwack氏は、過去に依存していた工業を急に切り離すのは極端なやり方かもしれないが、これこそが中国が供給能力過剰の製造業からグリーンなサービス業に転向する特徴だと考えている。

この転換は1990年代に北京のある工場が「798イノベーション広場」に改造されたことから始まったという。今の重慶にはこのような広場がたくさん存在しており、ある喫茶店のオーナーの王さんは「誰もが798広場を模範として学んでいる」と話す。

現在、イノベーションパークの多くは政府の補助金をもらい、そのビジネスモデルは敷地の賃貸とスペースの利用に集中しているが、これからはよりモデルチェンジして経済への寄与を高める必要があるという声もある。(提供/環球網・編集/インナ、黄テイ)

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