<点描・北京五輪>朝倉浩之の眼・本当に買えるの?チケット3次発売―『パニック』再現懸念も

Record China    2008年4月28日(月) 10時39分

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北京五輪のチケット第3次発売が5月5日から行われる。写真は2008年4月23日公開された入場チケット。

本当に買えるの?五輪チケット第3次発売の懸念

北京五輪のチケット第3次発売が5月5日から行われる。写真は2008年4月23日公開された入場チケット。

23日、五輪組織委員会が発表した。それによると、発売期間は5月5日午前9時から6月9日18時まで。発売方法は中国銀行の窓口か公式ウェブとなる。前回とは異なり、電話による販売は行われない。また、購入できるのは個人のみで、団体購入は認められない。購入枚数は一人当たり2試合で、1試合につき3枚まで(計6枚以内)。そして、購入できるのは中国国内に住む人となっている。

なお、今回は窓口発売については現金と引き換えとなり、インターネット販売についても3日以内に銀行窓口で支払いを済ませる必要がある。

発売されるのは138万枚で16競技17種目。陸上、野球サッカーバレーボールなどの人気競技もその中に入っているが、具体的にどの試合が対象となっているのかは明らかではない。

五輪のチケットといえば、思い出されるのが去年10月30日、第2販売で起きた大パニックだ。窓口、電話、インターネットで想像を超える数の人たちが殺到し、あっという間にシステムダウン、閉鎖という惨憺たる結果となった。それについての記事は以下を。

http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/268

そして、今回もその同じやり方である『早い者勝ち』形式が取られるわけだが、果たして、前回の二の舞にならないかは大きな懸念となる。

昨日の記者会見で、当局側は「前回の販売で大きな経験を得た。すでにシステムもバージョンアップがされており、今回は問題ない」と胸を張る。また今回は、各競技の決勝など“花形カード”のチケットは含まれていないと思われる。ただ、サッカーの組み合わせがすでに行われ、バスケットボールの抽選も今週末行われるなど、人気競技で日程が決定した状態で発売を迎えるため、またあの『パニック』を再現しかねない。

そして、もう一つの懸念は、ネットによる発売後のことだ。組織委の説明によると、ウェブを通じて購入を予約した場合、その『取り置き』期間は3日間。その間に中国銀行の各支店に赴いて、支払いを終えないと予約が取り消されてしまう。ただでさえ、多くの予約で込み合う窓口で、果たして支払いができるのか…中国の壮絶な行列事情を知っている私は非常に心配だ。

前回は明らかに無謀な「早い者勝ち」形式だったが、ある程度、チケットが分配された今、『前回ほどのパニックは起きない』というのが、ある市民の見方。だが、私の周りは、まだチケットを一枚も購入できていない人がほとんどで、彼らは『今回こそ』と意気込んでいる。13億人の人々が一斉に『今回こそ』とやられてしまっては、たまったものではないだろう。さて、今回の発売は成功に終わるのか。発売当日もレポートをお送りしたい。

<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>

■筆者プロフィール:朝倉浩之

奈良県出身。同志社大学卒業後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ・ニュース・ドキュメンタリー等の制作・取材に関わる。現在は中国にわたり、中国スポーツの取材、執筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中国国際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。

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