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<日本の対北朝鮮防衛>敵基地攻撃やTHAAD導入は慎重に=金正恩は父・正日より能力高い―朝鮮半島専門家

配信日時:2017年6月28日(水) 5時20分
日本、敵基地攻撃やサード導入慎重に=金正恩は能力高い―北朝鮮通
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北朝鮮情勢に詳しい道下徳成・政策大学院大学教授が日本記者クラブで講演。日本が米韓のように本格的な攻撃能力を保有する必要はないとの見解を示した。金正恩朝鮮労働党委員長について「能力は父親の金正日より上で、今のところ北朝鮮にとっての失政はない」と指摘した。
2017年6月23日、北朝鮮情勢に詳しい道下徳成・政策大学院大学教授が日本記者クラブで講演した。金正恩朝鮮労働党委員長について「能力は父親の金正日より上で、今のところ北朝鮮にとっての失政はない」と指摘した。日本が敵基地攻撃能力を保有すべきだとの主張について「最低限の攻撃能力により、一定の安全保障・外交上の効果を得ることをまず考えるべきだ」と強調。米韓のように本格的な攻撃能力を保有する必要はないとの見解を示した。発言要旨は次の通り。

北朝鮮の核・ミサイル能力が向上、核兵器13〜30個分の核物質を保有していると推定される。2016年9月、第5回核実験で13〜12キロトン程度の出力(広島型原爆と同程度)だった。

弾道ミサイル、ノドンの射程は約1300キロ。日本までの飛翔時間は10分程度。1997年98年ごろから準備開始。既に200発以上のミサイルと約50両の移動式発射台を保有。さらにグアム(3500キロ)をお射程に収めるミサイルも飛翔実験。今後アラスカ(5700キロ)、ハワイ(7500キロ)、米国本土(8000〜12000キロ)を射程に収めるミサイルも実験する可能性がある。

米朝間の紛争は全面戦争にはならないが、北朝鮮による韓国限定攻撃はありうる。想定シナリオとしては、(1)北朝鮮がソウル近郊に長距離砲を10発程度発射、(2)韓国軍は交戦規定により「3倍返し」の報復、(3)停戦に至る―などが考えられる。韓国軍は朝鮮人民軍は破壊力を持つが機動力はない。

終末高高度防衛ミサイルTHAAD(サード)を日本も導入すべきだとの主張があるが、カバーできる範囲が狭く、コストも1セット6000億〜1兆4000億円と巨額。北朝鮮の核兵器は分散配置されており、ミサイルのすべてを破壊するのは容易ではない。

さらに日本は敵基地攻撃能力を保有する必要があるとの意見があるが、落ち着いた(慎重な)議論をするべきだ。まず現有のF2と既に導入が決まっているF-35ステルス戦闘機 から自然に得られる攻撃能力を有効活用すべきである。日本は米韓両国のように本格的な攻撃能力を保有する必要はない。最低限の攻撃能力により、一定の安全保障・外交上の効果を得ることを考えるべきだ。

金正恩体制になってから5年経つが、指導者としての能力は父親の金正日より上。今のところ北朝鮮にとっての失政はない。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役、編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。現在Record China相談役・主筆。著著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」など。 ジャーナリストとして、取材・執筆・講演等も行っている。
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