ロボットは日本の人手不足を救うのか?―中国紙

人民網日本語版    2017年6月16日(金) 14時20分

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日本の宅配便市場で1位、2位を争う大手のヤマト運輸はこのほど突然、基本料金を全面的に5〜20%引き上げると発表した。原因は深刻な人手不足だ。資料写真。

日本の宅配最大手の「ヤマト運輸」はこのほど突然、基本料金を全面的に5〜20%引き上げると発表した。原因は深刻な人手不足だ。人民日報が伝えた。

人手不足に苦しむ業界は宅配便だけではない。データをみると、中小企業の70%が「人手不足」を切実に感じており、多くのスーパーやレストランは営業時間を短縮せざるを得なくなり、閉店に追い込まれるところも出ており、日本は人手不足の波に飲み込まれている。日本政府のデータもこの問題の深刻さを裏付ける。今年4月の有効求人倍率は1.48倍で、1972年2月以来の高い水準になった。

日々深刻化する少子高齢化を克服することが、日本の歴代政権の重要課題だ。現在の日本政府が打ち出した「ロボット新戦略」や2017年の「成長戦略素案」などは、いずれも「ロボットが人の代わりになって」労働力不足の問題を解決する構想を示す。安倍晋三首相は、「少子高齢化社会の特徴は、新技術がもたらす失業問題を懸念する必要がないということだ」と特に指摘する。野村総合研究所とオックスフォード大学の15年の共同研究によると、人工知能(AI)とロボットが日本の労働の49%を人に代わって担うようになるという。マッキンゼー・アンド・カンパニーの研究でも、日本はロボット導入の可能性が最も大きな国との見方が示された。

「日本経済新聞」の調査によると、17年度の日本国内の設備投資は前年同期比13.6%増と大幅に増加する見込みだ。コンビニチェーン「セブン-イレブン」を運営するセブン&アイ・ホールディングスは前年度の2.1倍にあたる額を投資するという。この影響により、日本の産業ロボットの受注が前年に続いて2けたの伸びを達成し、一連のホテル、レストラン、物流センターは相次いでロボットやドローンといった新技術を導入することが予想される。

だがロボットが人の代わりになるのは現在の人手不足への有効な対症療法薬ではない。コストなどの点を踏まえ、日本社会で雇用の70%を引き受ける中小企業では、情報技術(IT)化に向けた投資を行うとしたところは18%しかないからだ。また物流ネットワークなどの新技術の普及を背景として、日本国内では専門的人材の不足がますます顕在化しており、2030年には59万人の不足が予想される。より重要なことは、今回の人手不足には次のような一連の新しい特徴があるということだ。

第1に、今回の人手不足を招いた主な原因は需要の拡大であって、労働力の供給不足ではない。日本の生産年齢人口(16〜64歳)は95年にピークの8720万人を迎えたが、15年は7730万人で、10年の間に約1000万人減少したことになる。だが労働力の供給が同じテンポで減少したわけではなく、日本の労働人口(就業者+失業者)は減少を続けた後、05年に減少ペースが鈍化し、12年からは4年連続で増加している。

第2に、現在の人手不足には構造的な失業の問題がある。有効求人倍率は産業ごとの開きが大きい。たとえば倍率が最も高い建設採掘産業の3.54倍をはじめ、介護産業は3.13倍、輸送産業は2.09倍と高いが、ビル管理、機械加工、一般事務などは1倍を切っている。16年に日本の失業者数は大幅に減少したが、構造的な失業率が完全失業率を超えてしまった。

第3に、正社員と非正規雇用との給与格差がこのたびの人手不足の重要な原因だ。日本では正社員の平均給与は非正規より50%以上高く、多くの企業は人件費削減のため非正規の雇用を拡大しようとしている。16年には働く人全体に占める非正規の割合が37.5%に達し、パートの収入と社会保障費の負担を抑えるため、一部の企業はパートの労働時間をわざと抑制し、人手不足の状況を人為的に作り出している。

そこでロボットが人に代わっても、せいぜい全要素の生産効率を引き上げる手段にしかならない。日本経済が人手不足から抜け出したいなら、まずは構造改革に手をつけるべきだ。(提供/人民網日本語版・編集KS)

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