Record China

ヘッドライン:

排他的な日本の国民性が『難民鎖国ニッポン』の元凶=心が凝り固まっていない若者に理解求めたい―国連広報センター所長

配信日時:2017年6月16日(金) 5時20分
拡大
国連難民高等弁務官事務所でアジア、アフリカなどの難民支援活動に従事した根本かおる国連広報センター所長が日本記者クラブで近著『難民鎖国ニッポンのゆくえ』(ポプラ社)を基に講演した。
(1/2枚)

2017年6月13日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)でアジア、アフリカなどの難民支援活動に従事した根本かおる国連広報センター所長が日本記者クラブで近著『難民鎖国ニッポンのゆくえ』(ポプラ社)を基に講演した。

その他の写真

日本への難民申請者は急増しているにもかかわらず、認定者はゼロに近い。同著は「難民問題が世界的に注目されるなか、世界第3位の経済大国・ニッポンはなぜ難民を受け入れないのか?」と問題提起。「難民鎖国」の実態を分析するとともに、日本の片隅でたくましく生きる人々、そして難民を支えようとする日本の企業や草の根の活動から、難民問題について多角的に考察している。日本の難民受け入れ制度など、日本の難民問題を考える上での入門書といえる。

根本氏によると、日本における難民申請は2012年に2545人あったが、うち認定されたのはわずか18人。認定率は0.3%。認定率は2012年にはさらに下がって0.2%、その後も限りなくゼロに近付いている。他国と比べて桁違いに低い。各国の統計(11年)によると、フランス、イタリア約8%、ドイツ、英国約25%。米国約90%、カナダ約44%と高く、韓国でも約12%に達している。

数万人規模で難民を受け入れている各国に比べ極めて低い日本の実態について、他民族を受け入れない排他的な日本の国民性が背景にあるとの見方がある。根本氏はこの講演で、「(日本人の排他性に)私自身も苦労することが多い。だからこそ心が凝り固まっていない若者中心に理解してもらうようにしたい。柔軟に受け止められるよう大学生や高校生、中学生に働きかけたい」と力を込めた。

さらに同氏は「難民を受け入れているユニクロなどの企業でアルバイトしている日本の学生は、積極的に働く難民スタッフから良い刺激を受けている。地方自治体でも、鈴鹿市(三重県)など日系ブラジル人が多い地域は外国人に受け入れの経験が豊富だ」と言明した。ただ言葉の手当て、補助金など自治体任せで、国の財政支援などが少ないことなど課題も多いという。

根本かおる氏はテレビ朝日を経て、米国コロンビア大学大学院より国際関係論修士号を取得。1996年から2011年末まで国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)職員として、アジア、アフリカなどで難民支援活動に従事。ジュネーブ本部では政策立案、民間部門からの活動資金調達のコーディネートを担当。WFP国連世界食糧計画広報官、国連UNHCR協会事務局長も歴任。フリー・ジャーナリストを経て2013年8月より国連広報センター所長。 (八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役、編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。現在、日中経済文化促進会会長。Record China相談役・主筆。著著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」など。 ジャーナリストとして、取材・執筆・講演等も行っている。

※掲載している内容はコラムニスト個人の見解であり、弊社の立場や意見を代表するものではありません。
【アジア食品のネットサイトがオープン】
中華圏、韓国などのアジア食材が手軽に入手できます!
サイトはこちら

【コラムニスト募集】
中国や韓国の専門知識を生かしませんか?レコードチャイナではコラムニストを募集しています。どしどしご応募ください!応募はこちら

関連記事

初の世界人道サミット、難民急増対策で基金倍増打ち出す=G7で出席は独首相だけ、主催の潘基文国連事務総長が「失望」表明

初の「世界人道サミット」が23、24の両日、トルコで開催され、人道支援資金の拡充策を打ち出した。写真は右から渡部正樹OCHA神戸事務所長、白石和子外務省女性・人権人道担当大使、長有紀枝JPF理事長(4月18日、日本記者クラブでの「人道サミット」会見)。

八牧浩行
2016年5月25日 15時0分
続きを読む

アフリカ大陸から難民を乗せた船が地中海で沈没、500人が水死か=米国ネット「世界は国連がなくなれば良くなる」

20日、国連難民高等弁務官事務所によると、アフリカ大陸から難民らを乗せて欧州を目指して出発した船が沈没し、約500人が水死したとみられる。この報道に、米国のネットユーザーがコメントを寄せている。資料写真。

Record China
2016年4月21日 15時30分
続きを読む

ランキング