<コラム>日本のインバウンドを左右する大問題、「ガイド」の重要性認識を

秋澤 文芳    2017年6月2日(金) 18時20分

拡大

お客様を案内するガイドさんの問題で今、再びあらたな議論が沸騰している。先般の閣議決定で「資格がなくても有償ガイドとして案内が可能となる」ことになったからだ。写真は訪日客。筆者撮影。

平日の午後、そして夕刻の時間帯でも多くの訪日客であふれる秋葉原や銀座界隈はまさに異国の地を見ているようだ。彼らの国籍もますます多様化。そして観光客ばかりでなく、付近に駐車している貸切バスやワゴン車のナンバープレートを見る限り、山梨、静岡、千葉、大阪からやってきた車だとわかる(ただ、実際は関西・中京県内のナンバーであっても東京郊外の車庫から配車されている場合も多い。

車に乗っているお客様も欧米をはじめアジア国籍の人も多く、着ている服装もさまざまで飛び交う言葉も異なっている。このような状況だと確かに8カ国語とかの自動翻訳機等の手軽なレンタル機器が急増しているのも理解できる。

この自動翻訳機の利用増とも大いに関連してくるが、お客様を案内するガイドさんの問題で今、再び新たな議論が沸騰している。先般の閣議決定で「資格がなくても有償ガイドとして案内が可能となる」ことになったからだ。

確かに、銀座の中央通りを眺めてみると、現在でもバスから降りてくる「ガイド」さんも外見をみると特徴がある。Gパン、スニーカーにTシャツ姿で色彩豊かな旗を持って誘導・案内している人もいれば、スーツに革靴と黒かばんを抱えて汗だくになって大声をあげて団体を引率している「ガイド」さんもいる。いや、ガイドさんでなくて本国からやってきた添乗員さんの場合もある(ということは…この団体はガイドなしのグループだったのだろうか?)。

今回の決定に至った経緯にはさまざまなことが考えられるが、通訳ガイドに関する規制緩和の一環でもあり、今後の訪日客が急増した場合の対応(全般的なガイド不足問題や、今後も大きく期待される訪日客の地方への広がり)に向けた法改正だということだが、業界内そして関係機関、すでに資格を持つ通訳ガイドはもちろん、一般の方々からも疑問の声は当然多くなってくるだろうと危惧される。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携