<在日中国人のブログ>カメラを向けると戸惑う日本の公務員、彼らは本当に…

黄 文葦    2017年5月28日(日) 17時0分

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最近、権力が学校法人の経営に影響を与えているようなニュースが目立つ。真実はまだはっきり示されてないようだが、もし権力側の「ご意向」が働いていることが事実であれば、まことに残念だ。資料写真。

最近、権力が学校法人の経営に影響を与えているようなニュースが目立つ。真実はまだはっきり示されてないようだが、もし権力側の「ご意向」が働いていることが事実であれば、まことに残念だ。

ちなみに、2年前から、私はある学校法人の運営に携わることになった。学校法人がさまざまな手続きをする際に、役所で働く公務員と接触しなければならない。そこで私が持つ公務員についての印象を話してみたい。

私は時々、役所のルールと公務員たちの仕事ぶりに新鮮感を覚える。例えば、1つの学校法人に対し、大体1年間ごとに担当者が交代する。何故ならば、役所の担当者が学校法人の人と「友だち」にならないためだそうだ。そう言えば、両者が親密な関係になったら、おそらく「忖度」が生じるだろう。公務員が人情にとわれないようにするシステムらしい。

私の体験では、仕事のことで役所の人とあまり世間話ができない。中国語では「公事公辨」という言葉がある。いわゆる「公の事は公の事を処理する原則に従って処理し私情にとらわれない」という意味であり、まさにその通りである。気持ちとしては、担当の公務員と親しい関係になれば話が早いと思っていたのが、仕事のこと以外に、ただ「今日は天気いいですね」という程度の枝話を交わす。ましてや、接待など全然できない。

日本では、学校法人の設置・運営に関する規定は非常に厳格で、学科新設、増員などに関して、教室・面積・設備などを含む多くの条件を満たさないとクリアできない。少しだけ足りたいところがある場合には、何とか、役所の人が大目に見て認めてほしいとお願いしたいのだが、やはり基準通りで1つずつやり遂げるしかない。時には、書類の不備で役人に厳しく言われたことがある。さらに役人は細かいところも見逃さない。例えば学校図書館の蔵書の目録・数までチェックしてくださり、そのことに驚きと感動を覚えた。私たちが目標を達成し、喜んでいた際に、役人も微笑んでくれた。

時には、役所の担当者が学校に来て視察をする。その際はお茶を出すだけで充分である。お菓子を出したら、公務員が難色を示すかもしれない。一度、役所の人が学校を回っている最中、うちのスタッフが彼らの写真を撮った。役人がすぐに戸惑う様子で、「写真、何のために使うのですか」と訪ねられた。「すみません。学校の日常を記録するものです。ちゃんとプライバシーを保護します」とその際にスタッフが答えた。その後、誤解を招かないためにも、私たちは公務員の写真を撮らないようにしている。

十数年前、私はかつて中国の政府機関紙で数年間働いていた時に、よく「走後門」という言葉を耳にしていた。「走後門」とは「裏口を使う」という意味で、例えば、企業の人が政府機関に何らかの承認を求める際に賄賂を送ったり、あるいは便宜を図るためにコネを利用したりすることだ。つまり、「コネを利用して、あるいは不正な方法で目標を達成すること」である。それは腐敗の根本とも言える。

もしも、学校法人が利益の不正受給のために、権力者に力を借りようとすることになったら、まさに「走後門」そのもの。日本の律儀者の公務員たちを権力側の「ご意向」で動かさないことを願うばかりだ。公務員を困らせないように…。彼らは本当に日本のために真剣に仕事に取り組んでいる。私たちの学校が順調に運営されていることは、真面目な公務員たちのおかげでもある。裏口ではなく、正面に堂々と向かって行くべきだ。

■筆者プロフィール:黄 文葦

在日中国人作家。日中の大学でマスコミを専攻し、両国のマスコミに従事。十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。2000年の来日以降、中国語と日本語の言語で執筆すること及び両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。

■筆者プロフィール:黄 文葦

在日中国人作家。日中の大学でマスコミを専攻し、両国のマスコミに従事。十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。2000年の来日以降、中国語と日本語の言語で執筆すること及び両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。

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