<点描・北京五輪>朝倉浩之の眼・聖火報道に日中の温度差実感…本日帰国してブログ再開

Record China    2008年4月9日(水) 10時46分

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ギリシャから聖火が北京に運ばれ、大々的な式典が行われた。日本の聖火報道を見ながら、恐らく中国では、これとは全く異なる角度からの報道がされているのだろうなあと、当然のことではあるが、日中の五輪報道のスタンスにおける違いを感じさせられた。

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3月末から、所用のため、日本に一時帰国したため、ブログの更新がストップした。記事をごらん頂いている各方面の方にご心配のメール等を頂いたが、本人はいたって元気…。日本では、ちょうど見ごろを迎えていた桜を存分に味わって、無事、帰国し、本日からまた、北京五輪に向けた中国スポーツ界のあれこれを引き続きレポートしていく。

私が北京を留守にしている間、ギリシャから聖火が北京に運ばれ、大々的な式典が行われた。残念ながら、これを生で見ることはできず、日本のニュース報道で、式典の一部分を見るのみとなった。

チベットの生臭い問題とともに伝えられる日本の聖火報道を見ながら、恐らく中国では、これとは全く異なる角度からの報道がされているのだろうなあと、当然のことではあるが、日中の五輪報道のスタンスにおける違いを感じさせられた。

その後の世界を巡る聖火リレーに関する報道についても、中国のインターネットメディアと日本側の異なる方向性は明らか。ただ、いずれにしても、これまでのオリンピックとは全く異なる、異様な空気の中で行われる大会であり、そして本当に様々な意味で注目されている大会なのだと実感した。

そういえば、今回の日本滞在を通じて、日本における「反“中国食品”感情」というのも相当なものだと良くわかった。日本にお住まいの皆様なら「何をいまさら」という感じだろうが、ここ北京で生活していると、例の「毒ギョウザ事件」を始めとする中国食品に関する日本側の動きについては非常に疎くなる。

各スーパーやレストランのあちこちで、「当店では中国食品を扱っていません」という張り紙を目にした。知人や友人に会うたびに「大変な国にいるなあ」と半ば同情のような声をかけられる。

日本の消費者がかなり中国食品に対して過敏になっていることを改めて知ることができた。恥ずかしながら、これは中国からネットメディアをウォッチするだけでは知ることができなかったことである。

大阪にある中国食品専門のスーパーは閑古鳥が鳴いていて、「お客さんが激減した」という店員の悲鳴も聞こえてきた。中国で生活している我々からすると、非常にさびしい思いもあるのだが、事が食品に関する事件だけに、これもやむをえないことだろう。

北京五輪はあくまでスポーツ大会であり、それ以外の要素をあまり強調しすぎるのは危険だと筆者は考えている。だが、それでもやはり、五輪を機に、食品を含めた『対中国感情』が少しでも良くなることを願わずにはいれない。北京五輪に向けた「食」「環境」といった日本の人々が大いに興味を持つ事項についても、今後、出来る限り、現地の生活者の立場から、発信していこう…そう改めて決意を固めることができた日本滞在であった。

<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>

■筆者プロフィール:朝倉浩之

奈良県出身。同志社大学卒業後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ・ニュース・ドキュメンタリー等の制作・取材に関わる。現在は中国にわたり、中国スポーツの取材、執筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中国国際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。

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