<早分かり>40年来尊敬される「模範青年」、国民的英雄・雷鋒

Record China    2008年4月2日(水) 12時3分

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30日、海外高級ブランドのファッションショーで、登場したセクシー衣装のモデルらが「雷鋒帽」を被っていたことが物議を醸した。中国の国民的英雄で模範青年の雷鋒は、長年の間、国民にとって尊敬の対象。彼はどのような偉業を遂げた青年だったのか?

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2008年3月30日、某海外ブランドのファッションショーで、登場したモデルたちがセクシーな衣装の一部として「雷鋒帽」を被っていたことが物議を醸した。

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原因となった「雷鋒帽」とは人民解放軍の兵士が被る軍帽で、中央に星の徽章をいただき、両側に毛皮の耳あてがついたデザインのもの。「思想と道徳の化身」とも言われる中国共産党の英雄・雷鋒がかぶっていたことから、雷鋒といえばこの帽子姿を連想する国民はいまも少なくない。

1940年、湖南省の貧農家庭に生まれた雷鋒は7歳にして天涯孤独の身となり、幼くして苦労を重ねた少年だった。1957年、17歳で共産党青年団に入団した後は農場や工場でボランティア活動に励み、治水工事や建設工事で模範工として幾度も表彰された。1960年、20歳を迎える年に人民解放軍に参加した後は、22歳で不慮の事故により殉死するまで、共産党青年の模範団員として任務に打ち込み、マルクス・レーニン主義や毛沢東思想を熱心に学んだといわれている。

没後、1963年に「全国優秀先鋒少年隊指導員」として表彰された雷鋒は、その無私の精神を国民も学ぼうと「向雷鋒同志学習(雷鋒同志に学べ)」が文化大革命時代の象徴的なスローガンとなる。また、彼の遺した代表的な言葉に「釘子精神(釘の精神)」というものがあり、「困難を押しのけ、目標を貫く」彼の精神を端的に象徴したものとなっている。

雷鋒は文革時代から現在まで、政府が模範的存在としてたびたびキャンペーンのスローガンなどに掲げており、中国国民の尊敬を一身に集めてきた。その尊敬の対象を今回ファッションショーという商業活動の舞台に上げてしまった。

今回の一件が多くの国民の感情を害したとされるのも無理はないが、同時にそこから現代中国のファッション関係者や若者の意識の大きな変化を感じることもできそうだ。(翻訳・編集/愛玉)

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