2017年3月14日、韓国・アジア経済によると、北朝鮮が化学兵器のVXガスを用いて金正男（キム・ジョンナム）氏を暗殺するなど生物化学兵器の脅威が増す中、韓国政府が国民1人当たり1個のガスマスク保有を奨励するなど、対策に乗り出した。

韓国国民安全処はこの日会見を開き、今年中に11億1000万ウォン（約1億1000万円）をかけてガスマスク10万個を民防衛（非常時に動員される韓国の民間防衛組織）隊員に普及させ、今後5年間、毎年37万個ずつ合計185万個を準備する計画を明らかにした。現在の民防衛隊員のガスマスク普及率は3人に1人の割合（33．2％）となっている。

国民全体のガスマスク普及率はさらに低く、2．6％にすぎない。政府は、有事の際には自ら身を守ることができるよう、国民1人当たり1個のガスマスクを確保することを推奨していく計画だ。

また、国民を対象とした化学兵器教育のために、民防衛訓練の際に化学兵器防護教育を必修科目に指定して理論と実践を教育するほか、実際に化学兵器の攻撃を受けた時に備え、特有の警報音を開発し2020年までに全国2200余りの民防衛警報器に設置するという。

この報道に対し、韓国のネットユーザーからは、「ガスマスクでちゃんと防護できるのだろうか？」「ガスマスク購入でまた不正が生まれる気がする」「品質検査はちゃんとできているのか？」「ガスマスクを持ち歩いていたとしても、有事の際に着用する時間があるのか」などの声が寄せられた。（翻訳・編集/三田）