日本で不法就労する中国人のインタビューに成功=「あと2、3年ここにいたらおかしくなる」―中国紙

Record China    2017年3月3日(金) 12時50分

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中国紙・新京報は3日、日本で実習生として働いていたという中国山東省出身の23歳の男性のインタビュー記事を掲載した。写真は中国のパスポート。

「中国人実習生は低賃金、高ストレスの環境で働き、虐待やセクハラを受けている」。日本で働く中国人実習生が過酷な環境に置かれているというニュースが、ここ数日、中国のメディアで取り上げられている。発端は日本の報道番組が、中国人を時給300円で働かせているという「ブラック農家」を取材したことだった。

法務省によると、16年6月の時点で日本には21万893人の外国人技能実習生がおり、そのうち中国人は8万5120人で全体の4割を占める。中国紙・新京報は3日、日本で実習生として働き、現在は不法就労しているという山東省出身の23歳の劉暁冬(リウ・シアオドン、仮名)さんのインタビュー記事を掲載した。以下はインタビューの概要。

記者:なぜ実習生として日本へ行こうと思ったのですか。

劉さん:高校出の18〜19歳の農村部の若者には、素晴らしい将来はないんです。私の地元には日本に働きに行く人がとても多かった。私が知っている最も早くお金を稼げる方法が日本に行くことでした。

記者:当時、仲介業者はどのように説明していたのですか。

劉さん:北海道のキノコ栽培の農家を紹介してもらいました。毎月1万元(約16万円)、3年間で30万元(約480万円)は保証すると。それから、「働いているのはみんな女性で、恋人探しには苦労しない」としきりに言われました。しかし、日本に行ってからはだまされたと気づきました。3年で15万元(約240万円)もらえれば良いほうです。当時私は現地の最低時給、だいたい760円くらいをもらっていました。恋人の件もです。私たち3人の男性以外は、みんな50〜60代の日本のおばあさんばかりでした。給与の保証は労働契約書には書かれておらず、中立的な立場で管理する機関もありませんでした。

記者:では、それからどのように対処したのですか。

劉さん:耐えられない人は途中で帰国して行きました。つてがある人や勇気がある人は逃げ出して不法就労です。最近はレートも悪く、実習生が逃げ出すケースがよくあります。私も2回目の冬が過ぎ、ビザの更新が終わった時に逃げました。

記者:不法就労のリスクは?

劉さん:仲介業者に預けていた保証金が戻ってこないことや、常に捕まって強制送還される危険があることです。建設業は不法就労が多い業界の一つです。私が出会った10人中5〜6人は不法就労でした。雇う側もわかっているものの、人手が足りなくて黙認しているんです。1000元(約1万6000円)くらいで偽の在留カードさえ作れば大丈夫です。住居はほとんどが中国人から借りるしかありません。ルームメイトも不法就労です。私たちは今、横浜で塗装工として働いています。警察に目をつけられるかもしれないので、仕事以外ではほとんど外出しません。

記者:捕まる以外に心配なことは?

劉さん:仕事がなくなることです。実習生についての報道のほとんどが、残業させられたり、搾取されたりというものでした。私が思うに、朝6時に起きて夜11〜12時まで働く人たちは実際は喜んでいると思います。一番悲惨なのは、こんなに遠くまで来てお金を稼げないことです。

記者:日本人はどうですか?

劉さん:私が出会ったほとんどの日本人が友好的でしたね。でも、全員が良い人というわけでもないです。よく会社の日本人にからかわれたり、いじめられたりします。農家で働いている女性は日本人にハラスメントを受けたりもしています。彼女たちに食べ物をあげて、一緒に遊びに行こうとしつこく誘うんです。仕事は肉体的にはそれほど疲れませんが、精神的に疲れます。職場を離れれば警察におびえなければいけないですし。ある時、職場で同僚の物がなくなって警察に通報しようとした時は緊張しましたね。私たちは仲間内でよく「あと2、3年いたらおかしくなる」って言っています。日本では実習生にしろ、不法就労者にしろ、未来はない。金を稼いだら帰国して、良い暮らしをしたいです。(翻訳・編集/北田

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