中国のスマホメーカーが一斉値上げ、背景にサムスンの爆発事故か―中国メディア

人民網日本語版    2017年3月1日(水) 19時30分

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2017年に入り、中国の携帯メーカーが次々に値上げを敢行し、それに並行してスマホの値段も上がっている。

2017年に入り、中国の携帯メーカーが次々に値上げを敢行し、それに並行してスマホの値段も上がっている。華為や魅族、小米、楽視などのスマホメーカーは複数の機種で値上げを実施し、その上げ幅は数十元から数百元となっている。では、なぜ中国のメーカーのスマホが値上がりしているのだろう?人民日報が伝えた。

▼安全性や品質に一層重き、部品も値上がり

通信専門家である、情報通信サイト・飛象網の項立剛・最高経営責任者(CEO)は、「確かに、中国国産スマホの近年の急速な発展において、初めての値上げ。今回の値上げは、周りに合わせた値上げではなく、主に品質向上が原因」と説明する。

そして、「中国の各大手スマホメーカーは、スマホの品質向上のために、仕入れ先に対する要求を高めており、値段は自然と上がる。韓国サムスンのギャラクシーノート7の爆発事故が、業界に大きな刺激を与え、中国のスマホメーカーの安全性と品質に対する意識が一層高まった。そして、部品などの仕入れ先に対する要求や全体的な品質の基準が上がった。一番際立っているのはバッテリーで、ローエンド機種のバッテリーの性能も上がった」という。

一部のスマホメーカーは、値上げは、業界全体のコストが上昇していることとも関係があるとする。華為のスマホブランド・栄耀のある技術者は取材に対して、「昨年以降、UPエレメントが値上がりしており、重要な部品の中には30%以上値上がりしているものもある。その他、人件費や製造、販売ルート、マーケティングなどのコストが右肩上がりになっており、それにドル高などの要素が加わり、スマホの値段が上がっている」と説明している。

▼値上げは消費のグレードアップを反映、コスパが二の次に

中国メーカーのスマホのメリットと言えば、これまでは「コストパフォーマンス」だった。では、今回の値上げで、このメリットが薄れてしまうのだろうか?

項CEOは、「現在、消費者のスマホの値段に対してはあまり敏感ではなくなってきている。今回の値上げ幅は全体的に小さく、5〜10%の間。そのため、消費者の購入意欲やスマホの出荷量にそれほど大きな影響は出ないだろう。値上げは悪いこととは限らず、メーカーの利益が増えれば、技術のさらなる改善、品質の向上につながり、優良メーカーだけが残る、業界全体の生き残り競争が加速される」との見方を示す。

IT専門調査会社・IDCが発表している統計も、スマホユーザーの購買意欲が旺盛であることを示している。16年、中国のスマホ市場は前年比8.7%の伸びを実現した。同伸び幅は15年の1.6%を大きく上回っている。国民の可処分所得の上昇やスマホの機能の多元化などが、消費者のスマホ買い替えを加速させている。

また、項CEOは、「出荷量の急増と買い替え率の急上昇は、消費者の需要がグレードアップしていることを示しており、高品質、多機能、より良いサービス、よりオシャレな外観などが日に日に重要になっている。そして、値段のより高いスマホを購入する人が増加している。コストパフォーマンスはすでに、消費者が一番重要視するポイントではなくなっている。携帯、特にスマホは、値段とマーケティングだけを頼りに急成長を遂げるのは難しくなっている。今後は品質とイノベーションを核心にした競争が始まる」との見方を示している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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