<コラム>韓国のスキー場で不思議な光景、日本の方が雪質はいいのになぜか日本人の姿が

配信日時:2017年2月28日(火) 14時50分
韓国スキー場で不思議な光景、日本の方が雪質いいのになぜ日本人が?
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前回は「人はソウルへ、馬は済州島へ」というフレーズで慶尚北道など韓国の地理についてちょっと触れた。今回は、その延長で韓国の地理についてもう少し書いてみようと思う。資料写真。
前回は「人はソウルへ、馬は済州島(チェジュド)へ」というフレーズで慶尚北道(キョンサンブクド)など韓国の地理についてちょっと触れた。今回はその延長で韓国の地理についてもう少し書いてみようと思う。

ソウル市を取り囲むようにドーナツ型に広がっているのが京畿道(キョンギド)。この「畿」という字は、近畿地方の畿と同じで「都」という意味を持つ漢字である。京畿道は私が韓国に住み始めた1990年ごろから急速に都市化が進み、水原(スウォン)、盆唐(ブンダン)、板橋(パンギョ)、龍仁(ヨンイン)といった大都市がぼこぼこと造成され、副都心的な存在として強く光を放っている。

京畿道と隣り合い東北側にあるのが江原道(カンウォンド)。雪が比較的多く、じゃがいも産地として有名だ。雪が多いといっても、真冬でも雨が降ったりしてどこのスキー場でも人工雪を作る機械を置いておかないといけないのが現状だ。スキー場には1メートルくらいは自然の雪が降るが、雪の量としては日本の数分の一であろう。わがふるさと山形県米沢の吾妻山にしても6メートルくらいは降るし、山形と新潟の県境にある小国という村などは8メートルくらい積もる。

それでも韓国のスキー場には、中国や台湾やタイ、ベトナムなどから毎年数多くのスキーヤーがスキーやスノーボードを楽しみにやって来る。時々、不思議なことに日本からやって来た団体客に出会うこともある。雪の質といい量といい日本の方が断然いいし、費用なども最近では韓国の方が高いのではないかと思えるくらいなのだが。

江原道といえば雪嶽山(ソラクサン)を挙げないわけにはいかないだろう。春夏秋冬を通じ常に登山客、観光客が多い山がこの雪嶽山である。

京畿道の南側に接しているのが忠清南道(チュンチョンナムド)・北道(プクド)である。西寄りに私の住む天安(チョナン)市のある忠清南道、東寄りに忠清北道。忠清南道は西海(ソヘ。黄海)に面しているが、忠清北道は韓国では唯一、海を持たない道である。山深い里が忠清北道というわけだ。山深いとはいってもスキー場は多くなく、忠清北道の山は登山客の多い山といえようか。冬でも登山を楽しむ個人や団体が多い。

韓国の「奥地」といえば江原道と忠清北道が挙げられようが、私個人としては忠清北道の方を挙げたい。江原道は山も多いし奥地ではあるが、東は海に面しなんとなく開けた感覚がある一方、忠清北道は周囲が完全に閉ざされていて、まさに奥地そのものといえるからだ。地域開発が一番遅れているため、逆に最近は「帰農(キヌン)」あるいは「帰村(キチョン)」ということで、忠清北道に都市部から移り住む人が増えているようだ。

同じ忠清道でも、筆者が住んでいる忠清南道はソウルへの通勤圏であるため、集合住宅(アパート・マンション)がハイピッチで造成されている。特にわが街・天安は忠清南道のナンバーワン都市の風格を備えつつある。この30数年の間に人口が10万くらいから60万超まで増え、人口増加率が韓国でトップクラスである。

また忠清南道の燕岐(ヨンギ)郡という所はほとんど田んぼと畑だけの寒村だったのが、2012年7月1日から世宗(セジョン)特別自治市として出帆し政府庁舎の大部分がソウルから移転することになった。計画から10年の歳月が流れたが、こうして実現したこと自体、奇跡と思えるくらいだ。途中で何度も御破算になりそうになりながらも実現したのは、忠清南道の人々、特に燕岐郡の住民らの強い意志のたまものである。出帆して5年がたちインフラの整備なども進む中、これからの大きな飛躍が見込まれている街である。政府機能の分散化のモデルケースということで外国からも大きな注目を浴びているようだ。外国の自治体の訪問が後を絶たないという。

■筆者プロフィール:木口政樹
イザベラ・バードが理想郷と呼んだ山形県米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結婚。三星(サムスン)人力開発院日本語科教授を経て白石大学校教授(2002年〜現在)。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。
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