帰省恐怖症の若者、実家での長期滞在恐れ残業申請―中国

人民網日本語版    2017年2月7日(火) 9時20分

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春節連休といえば、家族が集まり、お互いの絆を確かめ合い、団欒を楽しむ至福のひと時といえよう。だが「帰省恐怖症候群」、「結婚催促恐怖症候群」、「都市漂流族」の人々にとっては、身内が集う濃密な時間は、さまざまな悩みの種となることも事実だ。写真は中国の農村。

春節連休といえば、家族が集まり、お互いの絆を確かめ合い、団欒を楽しむ至福のひと時といえよう。だが「帰省恐怖症候群」、「結婚催促恐怖症候群」、「都市漂流族」の人々にとっては、このような身内が集う濃密な時間は、さまざまな悩みの種となることも事実だ。新華社が伝えた。

広東省深セン市で働く「95後(1995年以降生まれ)」の胡敏敏さん(女性)は「『帰省恐怖』指数を1から10までの十段階で表すとしたら、私はだいたい8から9。今年は実家から少し早めに戻ってくるため、すすんで連休中の残業を職場に申請したぐらい」と話す。

胡さんが深センで働き始めて今年で3年目になる。職業は安定しておらず、ネットショップ運営者や美容専門学校の講師などの仕事を常に掛け持ちしている。彼女が言う「春節中の残業」は美容学校の初級3年生へのカリキュラム指導の仕事のことだ。

胡さんは「実家に戻って家族と新年を迎え、『濃密な時間』を過ごすことはやぶさかではない。だが、『帰省恐怖』の原因は、あまりにも出費がかさむため。春節中に親戚や友人を訪ねるのに、手ぶらという訳にはいかない。ある年の年越しには、ほぼ全ての親戚宅に贈り物をして、それらの家の子供全員にお年玉をあげたら、全部で2万元以上(約33万円)もかかった。この大出費を埋め合わせるために、深センに戻ってからかなりの期間、インスタントラーメンを食べ続けなければならなかった。それ以来、私は『帰省恐怖症』に罹ってしまった」と話した。

胡さんのケースとは異なり、江西省南昌市の白桜さん(女性)が最も恐れているのは、春節中に親戚や友人を訪ねた時に「いい人は見つかった?」と聞かれることだという。「私はもう32歳、大学を卒業した年から、両親は私に良い相手を見つけて家に連れて帰ってきてほしいと暗にほのめかしていた。それから7年、私はまだ独り者。春節中、親戚の誰もが、『いい人は見つかった?』と私にしつこく聞いてくる。本当に彼らにどう対応すべきか分からない」と白さんは嘆く。

白さんは、有名大学を卒業し、現在は国有企業で働いている。両親はともに元教師でリタイア生活を送っている。他人から見ると、彼女はまさに「人生の勝ち組」だ。だが今は「結婚」が彼女にとって最大の悩みとなっている。彼女は「私を本当に大切に思ってくれる相手を探し、結婚後はささやかでも穏やかな生活を送りたい。これが私の新年にあたっての最大の願い」とした。

「帰省恐怖症候群」や「結婚催促恐怖症候群」に対し、山東省膠東市の王軍さん(男性)は自分のことを「都市漂流族」だという。帰省して年越しをする際に最も恐れているのは、酒を飲み過ぎることだ。「1日中頭がクラクラし、胃はしくしく痛み、本当に辛い。故郷は農村だが、春節には親戚や友人と集まって酒を飲むこと以外、何もすることがない。いつも飲み過ぎて前後不覚になる。だが飲まないでいると、その場の雰囲気を壊してしまう」と王さんは話した。

北京で仕事をしている王さんは、普段からしばしば接待などで飲むことがあるが、飲酒の席ではそれほど礼儀にこだわる方ではないため、他人に飲酒を無理強いすることは滅多にない。その点、故郷での「飲み方」とはかなりの差があるという。「故郷の人々は実は朴訥で、酒を勧めるのは彼らの愛情表現の一つであることはとてもよくわかってはいる。ただ毎回もう少し自由に飲んで、それほど頻繁に酒を勧められるのでなければ、最高の春節なのに」とした。(提供/人民網日本語版・編集/KM)

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