トランプ大統領の「イラン核合意見直し」「米大使館移転」方針を大歓迎=「エルサレムは3千年前から首都だった」―イスラエル副大臣が東京で会見

八牧浩行    2017年2月4日(土) 6時0分

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イスラエルのオレン首相府外交担当副大臣は日本記者クラブで会見し、トランプ米大統領が見直しを表明している米欧・イラン核合意について、「核合意は最悪の取引だ。イスラエルをイランから守る方法を米国と話し合わなければならない」と強調した。

2017年2月2日、イスラエルのマイケル・オレン首相府外交担当副大臣は日本記者クラブで会見し、トランプ米大統領が見直しを表明している米欧・イラン核合意について、「核合意は最悪の取引だ。イスラエルをイランから守る方法を米国と話し合わなければならない」と強調。今月中旬に予定されているトランプ米大統領とイスラエルのネタニヤフ首相との会談で、米欧がイランと結んだ核合意の見直しについて協議されることを明らかにした。トランプ氏が言及している米大使館のエルサレム移転について、「ユダヤ人にとって3000年前からエルサレムは首都で、移転を大歓迎したい。ヨルダンやエジプトは支持しないだろうが、大きな問題にもならない」と述べた。

オレン氏は国連代表部顧問や駐米大使を務め、2015年の総選挙でクラヌ党から立候補、当選した。発言要旨は次の通り。

米欧がイランと結んだ核合意は最悪の取引だ。イランの核開発を阻止すると主張しているが逆で、彼らが核を入手することを100%可能とするものだ。イランが北朝鮮などと組んで核爆弾を入手できるようになる。イランが200発の核兵器を保有するようになったら、イスラエルという国家が破壊される。イランが合意に違反したり、合意が失効したり期限が来た際にどう対処するかした場合の対処法も考えなければならない。

トランプ氏は大統領就任前から「イランとの取り決めは最悪のディールで破棄する」と一貫して言っており、発言を歓迎する。イスラエルをイランから守る方法を米国と話し合わなければならない。今月中旬に予定されているトランプ米大統領とイスラエルのネタニヤフ首相との会談で、米欧がイランと結んだ核合意の見直しについて協議される。核合意の見直しは日本にとってもメリットもたらす。イランは北朝鮮とのコネクションを持っているからだ。

トランプ氏が(テリアビブにある)米大使館のエルサレム移転について言及しているが、ユダヤ人にとって3000年前からエルサレムは首都であり続け、イスラエルを建国してからも首都だった。米国の移転を歓迎したい。大使館設置が予定されているエルサレム西側は(建国の)1948年以来ずっとイスラエルの領土になっており、エルサレムの状態の変更にはならない。ヨルダンやエジプトなどは熱心に支持しないだろうが、大きな問題にはならない。

米大使館のエルサレム移転問題は、パレスチナ自治政府側に和平交渉の席に戻るべきだというメッセージにもなる。トランプ大統領の義息のクシュナー氏を和平交渉の調停なったが、同氏は優秀であり期待できる。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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