韓国次期大統領選、「日韓合意見直し」の文在寅氏が有利に?潘基文・前国連事務総長は出馬断念、黄教安首相を擁立の動きも

Record China    2017年2月3日(金) 20時50分

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潘基文・前国連事務総長が韓国の次期大統領選への出馬を断念、大統領レースは最大野党「共に民主党」の文在寅・前代表が有利になりそうだ。与党「セヌリ党」には衝撃が走り、黄教安首相を擁立する動きもある。写真は韓国大統領府。

2017年2月3日、潘基文・前国連事務総長が韓国の次期大統領選への出馬を断念した。これにより、大統領レースは慰安婦問題に関する15年末の日韓合意の見直しを求める最大野党「共に民主党」の文在寅・前代表が有利になりそう。与党「セヌリ党」には衝撃が走り、黄教安・大統領権限代行首相を担ぐ動きもある。

聯合ニュースなどによると、潘氏は1日に急きょ記者会見。「自分の主導で政治交代を成し遂げ、国家統合を実現するという純粋な気持ちを引っ込める。(政界の)一部の旧態依然とした、偏狭な利己主義的な態度にこの上なく失望した。こうした人々と一緒に歩むことは無意味だと判断するに至った」などと不出馬の理由を語った。

潘氏は国連事務総長の任期を昨年末で終え、1月12日に帰国。同氏を外交通商相に起用し、国連にも送り出した故盧武鉉大統領の墓地を訪問したり、死者・行方不明者304人を出した旅客船「セウォル号」の沈没現場に近い港に出向いたりするなど、各地を精力的に回っていた。

しかし、支持が思うように広がらず、支持率でトップを走る文氏に差をつけられつつあった上、日韓合意を国連事務総長として歓迎したことや、帰国後の行動や発言などに対し、インターネットを中心に執拗(しつよう)な批判が続いていた。さらに、米司法当局が実弟を贈賄未遂罪で起訴し、韓国政府に身柄の引き渡しを求めるなどの悪材料も重なっていた。

潘氏が大統領選から脱落したことで、有利に戦いを進められる文氏だが、保守系のメディアからの風当たりも強い。朝鮮日報は「韓国はみんな狂っている、まともではない」とのコラムを掲載。文氏を厳しく批判した。

この中で同紙は「文・前代表は大統領に最も近い人物だ。しかし、大統領というポストの重みから考えると、危なっかしく思う部分は一つや二つではない。公務員の雇用を80万人分つくるという公約がそれだ。この構想には『元祖』が存在する。デフォルト状態に陥ったギリシャだ」と指摘。「古今東西、人類史において国が『自殺』する原因は共通している。利己主義とポピュリズムだ。非理性と大衆の暴走、近視眼的利己主義と魂なきエリートが、韓国を衰退の道へと引きずり込んでいる」などと言及した。

一方、目算が狂い文氏に対抗し得る有力候補を失った「セヌリ党」が秋波を送っているのは、黄首相。聯合ニュースによると、世界日報と調査会社のリサーチ・アンド・リサーチが1月30日に成人1011人を対象に次期大統領選の有力候補の支持率を調査したところ、潘氏は13.1%にとどまったが、出馬宣言もしていない黄氏は8.3%の支持を得ている。(編集/日向)

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