日本でいま話題の「ジェンダーレス男子」って?中国メディアが分析

人民網日本語版    2017年1月21日(土) 17時0分

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日本では現在、髪をカラフルに染めたり、カラーコンタクトをつけたり、口紅を塗ったり、ネイルをしたりする「ジェンダーレス男子」が話題となっている。資料写真。

ファッションに対する見方が変わるにつれ、メイクする男性というのも今では特に新鮮な話題ではなくなっている。そして、日本では若い男性のファッションは今、新たな時代に入っている。日本では現在、髪をカラフルに染めたり、カラーコンタクトをつけたり、口紅を塗ったり、ネイルをしたりする「ジェンダーレス男子」が話題となっている。「ジェンダーレス」と呼ばれる通り、そのような男性は、性別の固定概念を覆している。専門家は、日本のほとんどの男性は定番のファッションであるため、「ジェンダーレス男子」は、その外見で自分の個性をアピールしたいのではと分析している。広州日報が報じた。

■「ジェンダーレス男子」が流行

東京都内のアパートに住む佐々木とまんくん(23)は、毎日出かける前に、きれいな肌の顔にファンデーション、チークなどを塗り、リップで唇の色を整えるなど、40分かけて丁寧にメイクする。その爪にはネイルがほどこされ、髪はウェーブがかかり、ハイヒールを履いている姿を見ると、女性にしか見えない。日本人は往々にして性別にあった服装を重んじていることを考えると、とまんくんは変わった存在だ。

とまんくんはモデル兼BOYSグループ・XOXのメンバーとして活躍しており、「とまん」というニックネームでソーシャルメディアで大きな話題となっている。そして、多くのファンを抱え、テレビ番組にもよく出演している。とまんくん自身は、「女性」に扮しているとは考えておらず、自分は「ジェンダーレス男子」としている。

小柄なとまんくんは、「僕の心は男性、性別という概念は必要ない。自分にあったスタイルを選ぶべき。男だから必ずこうしなければならない、女性だから必ずこうしなければならないでは、全然おもしろくない。男性も女性も同じ人間」と話す。

「ジェンダーレス男子」の仕掛け人は、とまんくんを発掘したメディア・エディターの丸本貴司氏で、とまんくんが先駆けとなったわけではない。日本の若い男性は現在、ファッションの面における固定概念を覆している。例えば、髪をカラフルに染めたり、カラーコンタクトをつけたり、色鮮やかな口紅を塗ったりなどだ。パーマのかかった金髪の比嘉龍二(りゅうちぇる)、ミニスカートを履くGENKINGなどの「ジェンダーレス男子」は、SNSで大人気になり、テレビでも活躍している。

■異性の服を着るのはファッション

西洋では、男性が女性の服、女性が男性の服を着ることは、往々にして性的志向と関係があるのに対して、日本ではそれは主にファッションの一種となっている。東京大学で日本の服装や文化を研究している門田正文氏は、「日本人の女性のような服装をする男性に対する反応は、他の国と異なる。日本では、外見と性的志向は分けて考えられている」と分析する。

「僕は同性愛者ではない。メイクをしているのは自分の欠点を隠すため。自信がもてない部分がたくさんある。自分の顔も嫌い」ととまんくん。

他の「ジェンダーレス男子」たちも、外見と性的志向は関係ないとの見方を示す。例えば、北島卓也(18)くんは、「僕らは自分の好きな格好をするために、メイクをしているだけ。男性と女性の格好に差がなかったとしても、本質的に違う。男性が女性を守るという原則が変わることはない。そして、男性は女性より強く、男性が仕事をすべき」と話す。

■ファッションと外見で個性をPR

日本の性別文化を研究している米ミシガン大学の人類学者であるジェニファー・ロバートソン氏は、「そのような若い男性は、女性と男性の境界をあいまいにさせ、男性のファッションの範囲を広げている」と分析する。

実際には、日本の演劇文化において、男性が女性の、女性が男性の服を着るという伝統がある。例えば、歌舞伎では男性が男女両方を演じ、宝塚では女性が男女を演じる。そして現在、日本のアニメやBOYSグループなどがその傾向に拍車をかけ、ジェンダーレスな男性のファッションが流行し始めている。(提供/人民網日本語版・編集KN)

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