「風の谷のナウシカ」を見て、私の考えは全く変わった―中国人学生

日本僑報社    2017年1月14日(土) 13時50分

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江西財経大学の藩梅萍さんは、宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」がきっかけで、環境問題に関する自身の考えが変わったというエピソードを作文につづっている。写真はジブリ美術館。

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日本アニメが人気の中国。中でもスタジオジブリの作品は、とりわけ高く評価されている。江西財経大学の藩梅萍さんは、宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」がきっかけで、環境問題に関する自身の考え方が変わったというエピソードを、作文に次のようにつづっている。

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「李さん、こちらから行こうよ」

「ええ?どうして遠回りするの?もう授業始まるよ」

いつも授業に出るとき、芝生を通っていた。芝生の向こうは教室だ。芝生のそばには教室に通じるアスファルト道路があるが、遠回りになるため利用する人は少ない。芝生の真ん中にはみんなに踏まれていつの間にかできた小道がある。おそらく授業に遅れるから、よくみんなはこの小道を通るのだろう。しかし、アスファルトの道を行っても一分ほどしか変わらない。

私は以前、芝生を踏むというちっこいことに気が付かなかった。でも、宮崎駿の「風の谷のナウシカ」というアニメをきっかけに、私の考えは全く変わった。

「風の谷のナウシカ」は人間と自然の関係がテーマになったアニメだ。この作品は、自然を壊し続ける人間たちに対して、心の奥まで届くような警鐘を打ち鳴らしている。アニメでは、腐海の森に住む王蟲(オーム)が、森を守るために町を襲った。町は砂漠のような廃墟になった。

その場面を見たとき、私は胸が痛んだ。この廃墟はアニメの中だけではなく、私たちの身の回りに存在する風景だ。私の故郷は広西チワン族自治区にある。子供の時、私は友達とよく村の川で泳いだものだ。川は澄みきって、青い空が映った。風の谷みたいな美しい村だ。けれども、今は川で泳ぐ人はいない。川の水は生活排水で汚染され、河岸は生活ごみで囲まれている。もう再び、故郷で澄みきった川を見ることはできないのだろうか。

アニメでは、最後は主人公のナウシカに守られた。自然の守り手・王蟲とナウシカが、金色の野に組んで立ち、とてもきれいで平和な場面になる。私はその光景に心が揺さぶられ、いつまでも胸に焼き付いた。でも、私たちの町は誰が守ってくれるのか?それは私たちみんなの責任だ。

中国人は古来、桃源郷に憧れている。風の谷のナウシカの結末は中国の桃源郷のような、汚染も戦争もなく、自然と人が幸せに暮らしている美しいユートピアだ。その同じユートピアの夢を持つ中国と日本の人たちがしっかり手を結び、一緒にそのきれいな夢に向かって努力していったら…。

私自身も環境意識を高めなければならない。それから、是非とも周りの人に「風の谷のナウシカ」のような日本アニメを勧め、アニメを通じて、日本と日本人への理解を深め、環境意識も高めたい。「日本人も、汚染も戦争もない世界に憧れているんだね」。私の親友が「風の谷のナウシカ」を観た後、ぽつりとそう言った。「中国人も、汚染も戦争もない世界に憧れているんだよ」と日本の人たちにも言いたい。(編集/北田

※本文は、第八回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「中国人がいつも大声で喋るのはなんでなのか?」(段躍中編、日本僑報社、2012年)より、藩梅萍さん(江西財経大学)の作品「一緒にユートピア作ろう─ナウシカから学んだ命・自然への労わり─」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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