<点描・北京五輪>朝倉浩之の眼・東アジア選手権、中国は”韓国恐怖症”克服できず。日本戦に向け…

Record China    2008年2月19日(火) 10時36分

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やはり中国の「韓国恐怖症」は解消されなかった… そういう質問が出ると、ベドロビッチ代表監督は言う。「そうやってメディアが無駄なプレッシャーをかけるのはやめてほしい」

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やはり中国の『韓国恐怖症』は解消されなかった…

そういうと、ベドロビッチ代表監督に言う。「そうやってメディアが無駄なプレッシャーをかけるのはやめてほしい」

試合後のベドロビッチ監督に対する質問は、多くが「対韓国問題」だったが、それに対して、彼は逆にそう「要望」をした。だが、メディアやサッカーファンが、代表チームにさまざまな思いを重ねて応援するのは自由だ。そんな大きなプレッシャーを一身に受けながら、ピッチに立つのが代表チームの務めであり、そこで勝っていくのが彼らの使命だろう。

重慶で行われるサッカー東アジア選手権の開幕戦で、中国は韓国と対戦。一時はリードしたものの、結局、ロスタイムに決勝点を奪われ、中国は2−3で敗れた。中国は1978年12月のバンコク・アジア大会で敗れて以来、30年間、韓国には勝っていないということになる。

中国は、W杯アジア予選のイラク戦とはフォーメーションを代え、442で臨んだ。また五輪代表の主力である周海濱(ジョウ・ハイビン)と朱挺(ジュー・ティン)を先発させるなど、総監督として一歩引いた地位にあるドゥイコビッチの色がかなり強い布陣となった。

だが、前半から、中国の動きは非常に鈍かった。ボールに対して消極的な姿勢が目立ち、いい位置でボールを奪っても、もたついている間に、奪い返されるというパターンが目立った。

前半1点を先制された中国だが、後半の序盤は、これが同じチームかと思うほど、動きが軽やかになった。恐らくハーフタイムでの修正が効いたのだろうが、イレブン全体の動きがかなりスピードアップした。

ようやくエンジンがかかってきたということだろうが、それも長くは続かなかった。一時は2−1と逆転したものの、結局、追いつかれ、試合終了直前に韓国に決勝点を許して、中国は敗れた。

韓国は主力選手を欠き、若手が中心となったチーム。だが、そんな韓国相手でも、テクニック、強さともに上回ることはできなかった。シュート数が中国7、韓国14という数字からも、両チームの力の差が得点差以上であったことがうかがい知れるだろう。

だが、今大会の目的は決して『韓国に勝つこと』ではないはず。あくまでも3月のW杯予選、オーストラリア戦であり、そこに向けて、好材料と悪材料を探し出すことである。試合後のベドロビッチ監督の「“韓国恐怖症”は言わないで」発言も、その真意はそこにあるのだろう。

そういう意味で言えば、後半開始早々の中国イレブンは今後に希望の持てるものだった。自分たちのリズムに試合が変わってきたときに、きちんとゴールを重ねられたことも、大きな収穫といえるだろう。先日のイラク戦で曲がりなりにも、勝ち点1を取った中国は、決して「圧倒的な強み」はないものの、少しずつ、キラリと光るものを試合中、見せてきていると思う。

序盤から中盤にかけて、「ふがいない」サッカー」が続いたことに批判の声もあるが、緊張もあっただろうし、試合には必ず、「上がり下がり」があるはず。もちろん、バイオリズムの低い時間は短ければ短いほどいいし、落ち込みが小さければ小さいほどいいわけだが、それも含めて、サッカーの面白さ…ではないか。

ただ、問題はイエローの多さ。今回も中国は5枚の警告を食らった。一方の韓国はゼロ。特に、ゴールを決めた選手が興奮のあまり、ユニフォームを脱いでしまって受けた1枚。そして、判定に不服で審判に食ってかかった時に受けた1枚など、5枚のうち3枚は『必要のないイエロー』だった。予選落ちした去年のアジア杯では、カギとなる試合に主力がイエロー累積で欠場したことが大きく響いた。これをやっている限り、中国代表には、アジアの代表として、W杯に参戦する資格はないだろう。

20日、中国は日本と対戦する。昨日の試合後、ベドロビッチ監督は日本対北朝鮮を貴賓席で観戦。中国メディアの取材によると、日本代表について「パスワークがうまい」と感想を語ったが、「中国はすでにプレッシャーから解き放たれた。韓国戦よりは状態はいい」と自信を示した。課題は「自信を持つこと」そして「エンジンのかかりを早くすること」と序盤の試合運びが大きなポイントだと述べた。

<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>

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■プロフィール:朝倉浩之

奈良県出身。同志社大学卒業後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ・ニュース・ドキュメンタリー等の制作・取材に関わる。現在は中国にわたり、中国スポーツの取材、執筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中国国際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。

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