<コラム>朝鮮レア飯紀行、日本で3本の指に入る朝鮮大学校の炭火焼肉=美味しいのにはわけがあった!

北岡 裕    2016年12月6日(火) 20時40分

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朝鮮大学校の学園祭と言えば焼肉。学園祭名物料理は数あれど、屋外で七輪で食べる朝鮮大学校の炭火焼肉の美味しさは、日本で3本の指に入ると思う。写真は筆者撮影。香ばしい白煙を上げる焼肉。そのレアさも調味料となる。

朝鮮大学校の学園祭と言えば焼肉。学園祭名物料理は数あれど、屋外で七輪で食べる朝鮮大学校の炭火焼肉の美味しさは、日本で3本の指に入ると思う。

メニューは2種類。サガリとホルモン。それぞれ1人前税込500円(2016年秋)。ワンコインである。焼肉屋さんの子弟が多いから美味しいんでしょ?と考えがちだが否、それだけではない。屋外のキャンパスで食べる開放感に加えて「人の学び舎で焼肉食べちゃっていいのか?」というちょっぴりの背徳感がいい。これにアルコールが加わればもう無敵。あっという間に数時間が過ぎる、これぞまさに時間泥棒。そして終日、キャンパスを香ばしい煙がもくもくと包み込む。

日本人訪問者にとって辛いのは、ひとりで行くと焼肉を頼みにくいこと。だから在日朝鮮人の友達を見つけて仲間に入れてもらうことがお勧め。日朝友好のため?もちろんそれも理由のひとつだが、焼肉と合わせて在日朝鮮人の焼肉へのずば抜けたセンスをぜひ味わってほしいのだ。

「焼肉と売店のアイスって合わないかな」。今秋の学園祭で在日朝鮮人の友人がこう閃いた瞬間、私は売店に買いに走った。冷たさと熱さ、スパイシーな肉とアイスの甘さの融合は想像以上の衝撃で「くぅーーー」と日朝両方から声が出た。

そして焼肉を売るのも七輪を準備するのも学生たちなのだが、実に手際がいい。女の子でも普通に七輪に火を入れていく。この焼肉について朝鮮大学校OBと現役学生に聞き込みをしてわかったことがある。

(1)どうやら七輪と炭は大学構内にストックしてあるらしい。

(2)肉も同じく大学に頼めば、あるいは肉屋に頼めば確保出来るらしい。

(3)学園祭以外でも、学生たちは何かあれば構内で焼肉をやっているらしい。

特に(3)がポイントで、どうも彼らは折に触れて構内で焼肉の宴を開いているようなのだ。普段から経験を積んでいるうえに、先輩から後輩へ脈々と焼肉技術の伝承が行われていることは想像に難くない。そりゃ美味しいわけだ。

あるOBは涼しい顔でこう言った。「火をたてるのも肉を確保するのも、ぼくひとりで簡単にできますね」。だが残念なことに現在、我々日本人が朝鮮大学校で焼肉を食べることが出来る機会は少なく、あっても年数回。加えて好天であることも必要条件となる。読者のみなさまも朝鮮大学校の焼肉、そのレア度にぜひ挑んでほしい。

■筆者プロフィール:北岡裕

76年生まれ。東京在住。過去5回の訪朝経験を持つ。主な著作に「新聞・テレビが伝えなかった北朝鮮」。コラムを多数執筆しており、朝鮮総連の機関紙「朝鮮新報」では異例の日本人の連載で話題を呼ぶ。講演や大学での特別講師、トークライブの経験も。

■筆者プロフィール:北岡 裕

1976年生まれ、現在東京在住。韓国留学後、2004、10、13、15、16年と訪朝。一般財団法人霞山会HPと広報誌「Think Asia」、週刊誌週刊金曜日、SPA!などにコラムを多数執筆。朝鮮総連の機関紙「朝鮮新報」でコラム「Strangers in Pyongyang」を連載。異例の日本人の連載は在日朝鮮人社会でも笑いと話題を呼ぶ。一般社団法人「内外情勢調査会」での講演や大学での特別講師、トークライブの経験も。過去5回の訪朝経験と北朝鮮音楽への関心を軸に、現地の人との会話や笑えるエピソードを中心に今までとは違う北朝鮮像を伝えることに日々奮闘している。著書に「新聞・テレビが伝えなかった北朝鮮」(角川書店・共著)。

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