「君の名は。」の新海誠監督に意外な過去―中国メディア

人民網日本語版    2016年12月4日(日) 9時0分

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新海誠監督の大ヒットアニメーション映画「君の名は。」が中国で今月2日に封切られた。

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新海誠監督の大ヒットアニメーション映画「君の名は。」が中国で今月2日に封切られた。このほど北京を初めて訪問し、ファンたちの熱烈な歓迎を受けた新海監督は幾分申し訳なさそうに、「アニメーション映画の製作には多くの人が関わっており、自分はそのうちの一人にすぎない。ポスト宮崎駿監督になるためではなく、もっと素晴らしい世界にするため長年がんばってきた」と何度も強調した。(文:張嘉。 北京青年報掲載)

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■現実よりも美しい絵 「美しい絵は人を癒す」

「君の名は。」の「透明感」について、新海監督は、「僕の出身地である長野県は標高が高い。周りは山に囲まれ、光の明暗がはっきりしており、空気も新鮮。このような生活の中で、光へのイメージが僕の心に刻まれたんだと思う」と説明した。

新海監督の作品に登場する風景は、全て実際の風景をもとにしているが、その絵が実際のものより美しいため、多くのファンはその技術に感服している。新海監督は光を調整したり、対比を計算したりもする。ここまで風景にこだわる理由について、新海監督は、「美しい景色は人を癒してくれるから」と説明する。

さらに、「ある時、自転車で学校から家に帰っている途中で、夕日が見えた。ごく普通の日だったが、その景色があまりにも美しくて涙がこぼれた。その時、突然、世界と一体になったような感覚になった。自分の周りの世界で素敵なものを見つけることができれば、生活はもっと楽しいものになり、気分も楽になると思う。だから、自分の作品の中で、信号も美しく描いている。あの時の気持ちは今でも覚えている」と語った。

1997年に初めて短編アニメーションを製作して以降、新海監督はこれまで20年近くアニメ業界で活躍してきた。アニメの製作を始めたきっかけについて、新海監督は、「アニメはとても純粋。アニメに出てくるどのキャラクターも作品と共に誕生する。これは、普通の映画とは異なる点であり、この点も、私たちがアニメを通して存在するようになったキャラクターが好きな理由。実際の生活の中で、ドラマのような出来事はあまりない。しかし、普通の人は、電車の中で好きな人と一言話すだけでもドキドキするもの。僕はそのドキドキを表現したい。自分の作品に世界を変える力があると思ったことは一度もない。しかし、誰か一人くらいなら変えることができるかもしれない。誰かを慰め、励みを与える力となることができれば、僕はとてもうれしい」と説明した。

■実は老舗建設会社の令息

「君の名は。」が日本で封切られた際、日本のメディアが、新海監督は社長令息で、社長の座を放棄して、徹夜が日常茶飯事のアニメクリエーターになったと報じた。

実は、上映に合わせて、老舗建設会社・新津組のホームページに「君の名は。」の情報が掲載され、新海監督について、「弊社社長の息子」と紹介されていたのだ。新海監督はアニメクリエーターになった時、会社の名前の恩恵に預かることを望まず、「新海」と名乗るようになったという。

新海監督の本名は新津誠。父親の新津正勝さんは新津組の社長だ。同社は明治42年(1909年)創立で、日本では有名な建設会社だ。新海監督は元々、4代目として家業を継ぐための修行として、父親の紹介を受けた東京都内の住宅メーカーに勤める予定だった。しかし、新海監督はその期待に背き、大学4年の秋、「お父さんごめん。若いうちにしておきたい仕事があるから、紹介してくれた会社には行けない」と父親に電話で伝えたという。

新海監督は、実習していた建築会社の近くでゲーム会社・日本ファルコムのスタッフ募集広告を目にし、気持ちが大きく変わったという。そして、同社に入社し、最初の5年間、新海監督は普通のアニメクリエーターとして、毎日夜12時まで働き、終電で帰宅し、翌朝6時にまた起きて出勤するという生活を続けた。その頃、「こんな仕事をしていてどんな意味があるのだろう」とよく思っていたという新海監督。「誰も自分の努力を見てくれていないような気がしていたものの、自分の気持ちを誰かに伝えることもできなかった」という。

そして、自分の存在を証明し、自分の心の声を表現するために、新海監督は2000年、短編アニメーション映画「ほしのこえ」の製作を開始した。そして、その製作に集中するために、01年に日本ファルコムを退社。02年2月に、「ほしのこえ」が完成した。同作品は、音楽以外、監督・脚本・演出・作画・美術・編集など、ほとんどの作業を新海監督が一人で行った。その時から、新海監督は細かな所まで描いた美しい絵で知られるようになった。

「君の名は。」の次の作品について、新海監督は、「『君の名は。』は、僕の人生でこれが峠になるかもしれない。これからも、自分は何を表現したいのか、どんな作品を作りたいのかを考えながら、作品を作っていく」と謙虚に語る。そして、アニメーション映画の製作に約20年間携わっている新海監督は、「他と同じような作品ではなく、世界をもっと素晴らしいものにするような作品を作りたい」と意気込みを語った。(提供/人民網日本語版・編集KN)

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