シ二アを大切にする日本の高齢者教育から学べること―中国メディア

人民網日本語版    2016年11月30日(水) 22時50分

拡大

中国の高齢化問題について、中国人民大学公共管理学院の娜拉教授は、「増加を続けている『シ二ア』は、誰でも生涯学習を通して自分の老後のライフスタイルや有益でバラエティに富んだ人生を選択できるべきである」と指摘する。

中国の高齢化問題について、中国人民大学公共管理学院の娜拉教授は、「増加を続けている『シ二ア』は、社会にとって、負担であってはならず、貴重な資源であるべきだ。長寿社会においては、誰でも、生涯学習を通して、自分の老後のライフスタイルや有益でバラエティに富んだ人生を選択できるべきである」と指摘する。光明日報が伝えた。

娜拉教授によると、高齢化社会突入に対応するわが国の戦術や取り組みは、まさに「シ二ア」を貴重な資源と見なすという理念にそっている。

中国国務院弁公庁がこのほど発表した「老年教育発展計画(2016−20年)」は、高齢者教育の発展加速、高齢者教育の資源供給拡大、高齢者教育の現代化水準向上などを目指す計画を立てている。同計画は、20年までに、さまざまな形で教育活動に頻繁に参加している高齢者が高齢者全体に占める割合を20%以上に向上させるという目標を掲げている。

娜拉教授は、日本の高齢者教育の発展の歴史について、「日本の高齢者に対する継続教育は歴史が長く、1950年代には始まった。戦後、日本で復興や経済、社会の政策が変化するにつれ、高齢者が依存する伝統的なライフスタイルも変化し、高齢者は日に日に孤独になっていった。これにより、『老人クラブ』が登場した。高齢者はクラブで学習や触れ合いを通して、孤独感を解消できた。クラブは社会問題の解決という点でも大きな役割を果たした。60年代、日本は『老人福祉法』を制定し、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が提倡する生涯学習を推奨し、厚生省(現・厚生労働省)は高齢者が健康的な生活を送れるよう導き始めた。そして、『老人クラブ』を国が法律で支援するようなプロジェクトにした。それにより、一層多くの地域に高齢者向けの大学が設立された。そのような大学は通常、授業30%、娯楽70%で展開されている」と説明する。

さらに、「70年代、多くの高齢者が有意義な老後を過ごすため、再就職を望むようになった。そのため、75年東京で『高齢者事業団』が設立された。また、90年代以降、日本は『生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律』を制定し、各都道府県における生涯学習の振興を提唱した。厚生省は90年、高齢者の健康ライフを推進するモデルプロジェクトを実施した。同プロジェクトは、高齢者が自分の経験を十分に発揮することで充実した老後を過ごせる機会を提供することを目標にしている」。

また、「2000年以降、日本は深刻な高齢化に直面し、人口の構造が変化した。そのため、『人生100年時代』という概念が登場した。厚生省は長寿社会において、全ての人が『人生100年時代』のライフデザインを行って、積極的に自分の人生設計をするよう提唱している」とした。

日本の高齢者教育と比べると、中国でも早くに高齢者を対象にした大学が登場したものの、膨大なニーズからすると、そのスタイルは整っておらず、十分な役割も果たせていない。統計によると、15年末の時点で、中国の60歳以上の高齢者の数は2億2200万人と、人口全体に占める割合は16.1%だった。高齢者を対象にした教育のニーズは巨大であるものの、そのスタイルは整っておらず、大きな役割を担うまでにはなっていないため、中国では高齢者教育がいささか「一人での楽しみ」のような状態だ。

娜拉教授は、「中国の高齢者を対象にした教育において最も不足しているのは『マッチング』。再就職できる高齢者は少なく、高齢者に社会に貢献するボランティアとしての機会を提供している学校も少ない。私は、高齢者の生涯学習は一種のシステムエンジニアリングだと思う。政策という点では、学習できる場所も、高齢者に教育を施せる人材の育成も必要。また、高齢者に、その役割を発揮できる場所や再就職の機会も提供する必要がある。これらは、政府だけの責任ではなく、大学や非営利組織、企業も連携し、社会と共同で、高齢者を対象にした継続教育のために、持続可能な発展の環境を創出しなければならない」との見方を示す。(提供/人民網日本語版・編集KN)

この記事のコメントを見る

中国の本ならレコチャのオンラインショップへ
中国・韓国関連の本の販売依頼も受付中

中国や韓国の専門知識を生かしませんか?
レコードチャイナではコラムニストを募集しています。
どしどしご応募ください!応募はこちら

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携