<コラム>サッカー女子W杯、なでしこ下し北朝鮮が優勝=私が北朝鮮案内員とがっちり握手を交わした理由

北岡 裕    2016年10月25日(火) 14時10分

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ヨルダン・アンマンで21日行われたサッカー女子W杯U−17決勝は、北朝鮮が日本を0−0(PK5−4)で破り優勝を飾った。写真は平壌国際サッカー学校の授業風景。2013年9月に著者撮影。

ヨルダン・アンマンで21日行われたサッカー女子W杯U−17決勝は、北朝鮮が日本を0−0(PK5−4)で破り優勝を飾った。

大きく寄与したのが国家代表の養成を目標に2013年5月13日に開校した平壌サッカー国際学校。13年9月に訪問した時には、101名が在籍(最大収容者数は230名とのこと)していた。

案内をしてくれたヒョン・チョルマン校長先生によると、全国から児童を選抜、平壌と地方の児童の割合は6:4。特に知力と体力と将来性を重視し、入替もある厳しい環境だ。人工芝のグラウンドに教室、6人1部屋の寄宿舎、食堂や理髪室、サウナ付きの大浴場も備える。週1日(日曜)は家庭教育の日とし、平壌出身の学生については自宅まで送迎がつくが、快適さに「帰りたくない」という児童も多いとヒョン校長は笑っていた。

ヒョン校長が訪問時強調していたのが、この学校から優秀な児童を外国へ留学させること(その後、欧州への留学が実施)と、外国人を含む外国からの受入も将来的に検討していること。「外国からも受け入れるのですか?」と聞き返した覚えがある。また、当時外国人コーチの招聘を行っていた。こうした積極的な取り組みが今回の優勝に繋がったといえるだろう。

在日朝鮮人の友人数名に「おめでとう」とメールを送ると、返って来たメールでは日本の健闘を称え、また李誠雅(リ・ソンア)選手の活躍について「本当にうれしい」と触れられていた。李選手は現在セレッソ大阪堺レディースに所属。在日朝鮮人として本大会に唯一選抜された選手だ。「情勢が厳しい中での今回の優勝は、在日朝鮮人社会でも相当盛り上がる話題」だという。

スポーツの話題は平壌でも政治性のない話題として扱いやすい。しかしサッカーも卓球もここしばらくスポーツでは女子が強く、男子はそれに比べてやや不甲斐ない。10月13日から30日まで行われているAFC U−19選手権2016では、残念ながら北朝鮮男子チームはグループBでの戦いを3連敗で終えた。だから日本でも平壌でも共通してこんなことばが聞かれる。「問題は、男子なんだよなぁ」。

「スポーツも家庭も女性が強いと、男性は大変ですよね」と案内員に話をふってみた。「北岡さんの家も?」。私が頷くと「大変ですよね」と相手も少し寂しい笑いを浮かべて、私たちはがっちりと握手を交わしたのだった。

■筆者プロフィール:北岡裕

76年生まれ。東京在住。過去5回の訪朝経験を持つ。主な著作に「新聞・テレビが伝えなかった北朝鮮」。コラムを多数執筆しており、朝鮮総連の機関紙「朝鮮新報」では異例の日本人の連載で話題を呼ぶ。講演や大学での特別講師、トークライブの経験も。

■筆者プロフィール:北岡 裕

1976年生まれ、現在東京在住。韓国留学後、2004、10、13、15、16年と訪朝。一般財団法人霞山会HPと広報誌「Think Asia」、週刊誌週刊金曜日、SPA!などにコラムを多数執筆。朝鮮総連の機関紙「朝鮮新報」でコラム「Strangers in Pyongyang」を連載。異例の日本人の連載は在日朝鮮人社会でも笑いと話題を呼ぶ。一般社団法人「内外情勢調査会」での講演や大学での特別講師、トークライブの経験も。過去5回の訪朝経験と北朝鮮音楽への関心を軸に、現地の人との会話や笑えるエピソードを中心に今までとは違う北朝鮮像を伝えることに日々奮闘している。著書に「新聞・テレビが伝えなかった北朝鮮」(角川書店・共著)。

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