<コラム>平壌にすし店オープン!北朝鮮で食べるすしはどんな味?

北岡 裕    2016年10月16日(日) 19時30分

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「訪朝されたそうですが、北朝鮮の食糧事情はどうですか」という質問をよく受ける。しかし訪朝団が滞在中に供される食事は、ある種かの国の威信を賭けた特別なものばかり。写真は歓迎宴で供された刺身。筆者が2013年に撮影。

「訪朝されたそうですが、北朝鮮の食糧事情はどうですか」という質問をよく受ける。しかし訪朝団が滞在中に供される食事は、ある種かの国の威信を賭けた特別なものばかり。訪朝中食べるものといえば焼肉と冷麺に始まり、季節によっては犬鍋に松茸。帰国時には必ずほんのり太っている。我々の食事から一般市民の食糧事情をうかがい知ることは出来ない。

また、滞在中農場を見学し、移動中に農地を見ることもあるが、私はこの辺り素人なので安易な判断は出来ない。だが一つ残念なのが刺身。歓迎宴でサーモンと白身、赤身(マグロ?)、サバなどが載った皿が出て来たことがあったが、半分凍っていたりと、残念ながら余り美味しくなかった。そもそも北の平壌も南のソウルも海から少し離れている。

ソウルで東京の築地市場にあたるのが鷺梁津(ノリャンジン)水産市場。ここでは一階の魚屋で魚を買い、刺身と鍋の材料にしてもらって二階で食べることも出来る。15年前、大人3人で大きな鯛を一匹買って1人あたり2万ウォン(当時のレートで約2000円)で済んだ。だが、当時ソウルで美味しいマグロを食べるのは苦労した。魚屋の主人に聞くと「美味しいマグロは日本に輸出するし、そもそも韓国人は白身が好きで、血生臭さがある赤身の刺身は嫌いなんだ」と答えてくれた。

9月6日に平壌市内に「平壌すし専門食堂」が開業した。平壌ですしといえば、「金正日の料理人」(扶桑社)の藤本健二氏。近々平壌にラーメン店を開店するという。彼の著書によれば金正日総書記はトロを好み、ネタの買い付けのために何度も築地を訪れていたという。かつては高麗ホテルの中にすし屋があったとも聞く。すし屋のネタケースのようなものが残っていたのを私も2010年に見た記憶がある。

今回のすし屋のオープンは冷凍と輸送技術の進歩の賜物とも聞く。近年平壌市内には中華、鉄板焼き、ハンバーガーショップなど世界各国の料理を食べる店が続々出来ているが、平壌市内で日本料理を食べられる店は久しく平壌駅前の「総聯食堂」しかなかった。ここでは親子丼やカレーうどんが食べられる。長期滞在する在日朝鮮人も愛用している。

次回訪朝の際はぜひ、刺身の鮮度の確認と、かの国の人々の好きなネタ(韓国と同じくやはり白身なのだろうか)の調査を兼ねて、かの地で日本の味を伝える奮闘努力を続けているすし店を訪れてみたい。

■筆者プロフィール:北岡裕

76年生まれ。東京在住。過去5回の訪朝経験を持つ。主な著作に「新聞・テレビが伝えなかった北朝鮮」。コラムを多数執筆しており、朝鮮総連の機関紙「朝鮮新報」では異例の日本人の連載で話題を呼ぶ。講演や大学での特別講師、トークライブの経験も。

■筆者プロフィール:北岡 裕

1976年生まれ、現在東京在住。韓国留学後、2004、10、13、15、16年と訪朝。一般財団法人霞山会HPと広報誌「Think Asia」、週刊誌週刊金曜日、SPA!などにコラムを多数執筆。朝鮮総連の機関紙「朝鮮新報」でコラム「Strangers in Pyongyang」を連載。異例の日本人の連載は在日朝鮮人社会でも笑いと話題を呼ぶ。一般社団法人「内外情勢調査会」での講演や大学での特別講師、トークライブの経験も。過去5回の訪朝経験と北朝鮮音楽への関心を軸に、現地の人との会話や笑えるエピソードを中心に今までとは違う北朝鮮像を伝えることに日々奮闘している。著書に「新聞・テレビが伝えなかった北朝鮮」(角川書店・共著)。

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