拡大
28日、新華網によると、中国のインド研究の権威、季羨林氏にインドの公民栄誉賞が授与された。対立の歴史がある両国だが、インド側に中国との友好関係を強化したいという思惑も。写真は季羨林氏。
(1 / 3 枚)
2008年1月28日、新華網がインドタイムズの報道として伝えたところによると、インドの公民栄誉賞がヒマラヤを越えて、97歳になる中国の学者季羨林(ジー・シエンリン)氏に授与された。授賞理由は季氏が「ラーマーヤナ」やインド古典文化を中国に紹介したことによる。
【その他の写真】
北京の人々はこの賞が季羨林氏に授与されたのは、インドに中国との友好関係を強化する狙いがあると見ている。北京大学インド研究センターの研究者によると、「中国人のインドを見る目が変わるかもしれない」という。
季氏はインド学の権威で、この賞に恥じない人物。しかし、彼にこの賞が与えられた裏には政治的な動きもあったようだ。2006年12月からインド政府には栄誉賞を季氏に授与するか否か議論があり、同月には季氏と駐中国インド大使が面談を行っている。
北京大学東方学研究院の王邦維(ワン・バンウェイ)教授は言う。「これは歴史的に重大な意義がある。インドと中国は領土などでの対立もあったが、中国人のインドの見方に大きな影響があるはずだ」。
季氏は1911年に山東省の農村で生まれた。貧しいながらもインド研究に邁進し、北京大学をアジア研究の拠点にした一人。研究対象はインド仏典や文学、歴史など広範囲に及ぶ。攻撃を受けた文化大革命期にも密かに「ラーマーヤナ」を翻訳した。彼のもとを訪れた江沢民元国家主席は非常に感動したという。「国学大師」の呼び名も高い。(翻訳・編集/小坂)
ピックアップ
この記事のコメントを見る