日中軍事衝突回避のため、「安全保障対話」を東京・北京フォーラム内に常設―日中有識者会議が決定

八牧浩行    2016年9月28日(水) 16時14分

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28日、日中有識者会議「第12回東京・北京フォーラム」が合意文書『東京コンセンサス』を採択して閉幕。軍事衝突など不測の事態の回避のため常設の「安全保障対話」の場を設けることになった。写真は閉幕記者会見での田中雄二・元駐中国大使ら。

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2016年9月28日、日中の平和促進と経済発展を目指す政官財言論界有識者会議「第12回東京・北京フォーラム」(言論NPO、中国国際出版集団)が合意文書『東京コンセンサス』を採択して閉幕した。今回のフォーラムのテーマは「世界やアジアの平和、発展に向けた日中の役割と協力」。日中双方から有識者約120人が出席し、2日間にわたり日中関係改善に向けた対応策などを話し合った。

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東京コンセンサスは、「対話と交流を深めることは、両国の将来やこの地域の平和にとって極めて重要である」と強調。特に、不測の事態の回避のため、危機管理メカニズムを早急に完成させることを日中両国に求めた。その上で、地域において平和を保障するどのような秩序をつくるかについての議論を深めるため、「東京・北京フォーラム」の中に常設の「安全保障対話」の場を設ける方針を盛り込んだ。

常設の日中間「安全保障対話」について、安全保障分科会の司会役を務めた宮本雄二・元駐中国大使は「日中間の軍事衝突の危険は戦後初めて生じたもので、制服組や退役したばかりのOBの間で双方ともに危機感や緊張感がある。率直に話し合う必要があり、具体的に掘り下げていきたい」と言明。自衛隊と人民解放軍のできるだけ現場に近いメンバーを集め、可能なら2カ月に一度ぐらいのペースでの開催を模索したいとしている。

主催者を代表して、工藤泰志・言論NPO代表は「今後とも日中民間外交に取り組み、民間対話、言論対話の重要な役割を果たすように努力したい」と語った。

東京コンセンサスの要旨は以下の通り。

民間対話には、政府間の困難を乗り越える特別の役割があり、これまでになく重要になっている。アジアの将来において、両国が目指すべき理念は「平和」と「協力発展」であり、民間レベルでの幅広い交流である。

国際環境に大きな変化が生ずる中、日中関係は難しい時期にあり、対話と交流を深めることは、両国の将来やこの地域の平和にとって極めて重要である。

日中両国の経済は構造問題等様々な問題を抱え、その解決は喫緊の課題であることを確認した。日中の経済貿易協力関係の発展は極めて重要であり、特に民間企業の協力は両国の様々な分野で実現可能である。特にアジアへの貢献では、インフラ投資の持つ意味が大きく、今後この分野で民間の協力を推進していく。

両国は不測の事態の回避のため、危機管理メカニズムを早急に完成させる必要がある。日中間で協議されている「海空連絡メカニズム」の早期運用開始を強く求める。

この地域において平和を保障するどのような秩序をつくるかについての議論を深めるため、「東京・北京フォーラム」の中に常設の安全保障対話の場を設けることになった。

国民感情の変化に対してメディアの持つ大きな影響力を再確認。国民感情の改善に向けた努力や有益な取材報道に期待する。その際、若い人たちが活用するニューメディアが持つ潜在力を発揮するよう努力する。

相手国民に対する感情の悪化が、国民の交流を阻害し、それがさらに感情の悪化招く悪循環に陥らないよう努力すべきである。そのために自発的で継続的な民間交流を量、質ともに発展させ、特に若者を中心とした観光・留学・雇用を通じた相互交流の活発化を目指す。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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