何とかなるさ、笑って生きよう!いい加減より良い加減で=林茂著『国家が破綻しても人生は楽しい? イタリア流ライフスタイルのすすめ』

八牧浩行    2016年9月11日(日) 15時20分

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イタリア人は底抜けに明るく元気いっぱい!人生を謳歌している…。経済的には低成長と累積債務にあえぎ、EUのお荷物とまで言われている国なのにどうしてか?30年以上にわたりイタリアの「ワインと食事」に係わってきた「イタリア通」が、その秘密を解き明かした。

「イタリア人は底抜けに明るく元気いっぱい!若者からお年寄りまで人生を謳歌している…」。律儀で几帳面な日本人とは対極にあるとよく言われる。経済的には低成長と累積債務にあえぎ、欧州連合(EU)のお荷物とも言われている国なのにどうしてか?在住14年を含め30年以上にわたりイタリアの「ワインと食事」に係わってきた日本きっての「イタリア通」が、その秘密を解き明かした。

イタリアが大好きという日本人は多い。日本にイタリアンレストランは1万軒以上もあり、フレンチを大きく凌駕している。「人生の楽しさは全部イタリアから教わった」と本書で明かす著者はイタリア好きの代表格だ。「イタリア人はまず個人があって家族がある。その外に会社があり、さらに国に頼らない生き方をしている」とし、われわれ日本人も「何とかなるさ」というイタリア流の精神で、「笑って暮らしていこうではないか」と呼び掛ける。

従業員や取引先のイタリア人との間で繰り広げられる悲喜劇の数々。著者にとって、栄光と挫折の日々が展開される。思わず笑いがこみ上げてくる事例も多いが、ちょっぴりほろ苦い本でもある。単なるイタリア礼賛本やワイン解説本ではなく、豊富な体験を通じた「人生哲学」「社会経済事象」「経営論」なども展開。実践的ノウハウも満載である。

各節の後に綴られる次のような人生訓も面白い。

「会社中心で連帯主義の日本、完全個人主義のイタリア、どちらも善し悪しがある。しかし日本人特有の『空気を読む』は外国人相手には通じない。押しが強すぎるぐらいの主張をしなければ、グローバル社会で取り残されてしまう」

「過剰なリスクヘッジは逆効果、決まりごとに縛られ過ぎると柔軟な発想ができなくなる」「苦しいときは悪あがきするくらい懸命に打開策を模索しよう」

「よく『いい加減なイタリア人』と言われるが、イタリア人は『いい加減』ではなく、本当はしたたか(つまり良い加減)なのではないかと思う」

著者は地方の名門高校で野球と勉強の文武両道を目指し、国立大に合格。サントリーに入社後、2回にわたり合計14年間もイタリアに駐在。レストラン経営から、ワイン営業までこなした。日本人初のイタリアワイン・ソムリエの資格も取り、2005年に独立、コンサルティング会社を設立した。まさにイタリアづくしの半生である。

『基本イタリア料理』『基本イタリアワイン』『イタリアのBARを楽しむ』『イタリアワインをたのしむ本』『イタリアの食卓、おいしい食材』『イタリア式、少しのお金でゆったり暮らす生き方』など著書多数。1995年、イタリアで日本人として初めてソムリエの資格取得。カテリーナ・ディ・メディチ賞、マリア・ルイージャ賞など多くの賞を同国で受賞している。(評・八牧浩行

<林茂著『国家が破綻しても人生は楽しい? イタリア流ライフスタイルのすすめ』(万来舎、1600円税別)

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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