終戦で暗転した日本人満州開拓団、逃避行の末に巡り合った奇跡!=日中合作映画『純愛』が10周年―「世界の平和」願い、各国で感動呼ぶ

八牧浩行    2016年8月17日(水) 15時0分

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世界の平和、心豊かな社会、子供たちの輝く未来を願い、「真実の愛の物語」をテーマとした日中共同製作映画「純愛/JUN AI」が世界各国で上映と交流ツアーを展開、今年10周年を迎えた。

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「世界の平和、心豊かな社会、子供たちの輝く未来」を願い、「真実の愛の物語」をテーマとした日中共同製作映画「純愛/JUN AI」が世界各国で上映と交流ツアーを展開。今年10周年を迎えた。これまでに日本、中国、モナコ、英国米国など多くの国々で上映され、国境や人種を越えた「人類愛」は涙と感動を誘っている。

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この映画は、ただ単に日中問題を扱った映画ではない。日本と中国の人々が力を結集した世界の人々への「平和のメッセージ」と言える。

――1945年夏、長い間続いた戦争が終わった。中国大陸には多くの日本人開拓団(32万人)が移り住んでいた。彼らの生活や夢は敗戦とともに崩壊。逃避行を余儀なくされ、中国の山中で生死の縁をさまよっていた。

そこには中国の農民たちが暮らしており、農民の多くは日本軍によって大切な家族を失っていた。こうした極限状況の中、日本人と中国人の間に、敵味方や民族を越えた友情、そして、命を懸けた奇跡的な愛が生まれた…。

この映画の製作総指揮、脚本、主演を務めた女優・小林桂子さんは「今、私たち人類が最も考えなければいけないのは『世界の平和』です。世界中で隣国同士、隣人同士が対立し、戦っています。日本と中国、東アジアでも同じ。どの国が悪いとか、誰のせいとか、それもあるかもしれないけれど、それ以上に、私たち人類が戦うことをやめられないでいる。私達自身が人を許せないでいる。だからこそ、私達一人ひとりの心が変われば世界が変わっていく。『感動と喜び』を世界中の人たちに届けたい」と熱く語っている。

主催の純愛プロジェクト事務局は、「ひとつの映画で、世界をつなぐ」をキャッチフレーズに映画「純愛」の上映活動とともに、子供達に夢をプレゼントすることを活動目的としている。

2004年、映画完成に先駆け、日本人が中心となって集めた映画制作準備金の一部や寄付金を活用して中国泰山の麓の村に「小林桂子基金希望小学校」が開設され、多くの児童が元気に勉強に励んでいるという。 また、2008年には日本での劇場公開時のチケット代の一部を積み立て、小学校の敷地内に純愛幼稚園を開園している。

◆全世界全言語上映を目指す

純愛プロジェクト事業運営責任者である奥山省吾氏は映画「純愛」について、「上映の輪が広がるほどに、国境を越えた人と人との絆が生まれ、子供達に教育の機会が増えていくこと、私達はそれが未来を創造し、世界に平和をもたらしていくと信じています。みなさん、どうぞ声を出して、伝えあってみてください。まずは何よりも映画の『感動』を分け合ってください」と呼びかけている。各地の会場で上映会が定期的に開催されており、「全世界で全言語による上映」を目指している。

なお、<特別企画>「純愛/JUN AI」10周年チャリティー上映&対談会(主催・NPO法人純愛国際平和基金)が8月21日(日)12時から、「東京ウイメンズプラザホール」(東京メトロ・表参道駅徒歩5分)で開催される。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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