日本に行って一変、クラスメート7人は誰も信号無視をしなくなった―中国人学生

日本僑報社    2016年8月13日(土) 7時30分

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中国では地域によっては信号を無視する人が多い。中国のメディアでは、きちんと信号を守って行動する日本人がよく比較の対象になる。吉林華橋外国語学院の陳静逸さんは、中国人が信号を守らない原因について、作文に記している。写真は信号を無視する人。

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中国では地域によっては信号を無視する人が多い。中国のメディアやネットでは、きちんと信号を守って行動する日本人がよく比較の対象になる。吉林華橋外国語学院の陳静逸さんは、中国人が信号を守らない原因について、実体験を交えて次のように作文に記している。

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「それでは、結果を見てみましょう」。すると、横断歩道で人々が青信号を待っている映像がスクリーンに映された。まだ赤信号なのに、歩行者は一斉に道の向こうへ進んでいた。走っている車がクラクションを鳴らしても、みんな走って止まらない。ただ1人の女性だけがずっと待っていて、赤信号が青信号になってから歩いていた。「この女性は最後まで待っていたので、今日の奨励品はこの女性に送ります」。司会者はそう言った。

これは高校時代にあるテレビ番組で見た光景なのだが、今思い出しても不思議な感じがする。信号を守るのは当たり前なのに、今では誰かが守ると奨励品をあげて賞賛される対象になるということが、私には信じられないからだ。

私が生まれた小さな町では、信号を無視している人は多くない。しかし、大学に入って、自分自身も信号という概念がはっきりしなくなった。初めて長春に来た頃、友達と一緒に外へ遊びに行った。横断歩道で私が信号を待っていると、友達は「早く早く、走ろ」と言いながら、まるで幽霊に追われるかのように急いで私を連れて走った。私は開いた口が塞がらないほど驚いた。

なぜ青信号になっていないのに道を渡ったのかと友達に聞くと、友達は「長春はもともとそうなんだ。慣れればいい。大丈夫、みんなで渡れば怖くないよ。速く走らないと、間に合わないよ」と言った。私はまた言葉を失った。しかし、長春に3年間住むうちに、こちらの習慣に慣れてしまった。今の私は赤信号で少し待っても、車が少なくなったら、みんなと一緒に渡ってしまう。もし私が渡らなければ、変だなあと思われるだろう。信号を無視して横断するのは恐らく今の中国人の常態であろう。

私のクラスでは、7人が日本へ留学している。彼らは長春に住んでいる時には私と同じように信号を無視していたが、日本へ行ってからは完全に信号を守るようになった。また、サンフランシスコで勉強しているある友達は、冬休みに帰国してみんなでパーティーをしていた時、「サンフランシスコには中国人が多いんだけど、みんなちゃんと信号を守ってるんだよ。今日、(中国で)道を渡った時には、本当にびっくりした。みんなが信号を無視するんだ。最悪の場合、命を落とすことさえあるのに、なぜみんなそんなバカなことをしてるんだろう」と言った。

では、中国人は信号のルールを知らないのか。答えは否である。信号を守らない一番の原因は、中国の交通ルールが不公平であることだ。大部分の交差点は車の青信号は時間が長いが、歩行者の青信号は時間が短い。そのため、歩行者がまだ道の中央にいるのに、車が走って来る。信号を守るにせよ、無視するにせよ、どうせ間に合わないため、みんな信号を無視してしまうのだ。

長年信号無視を続け、すでに慣れてしまっているため、中国人の信号無視を無くすのは決して容易なものではない。それでも解決すべきだ。中国の交通ルールの改訂も必要になるだろう。赤信号は交通のみならず、人々の心の中の警鐘でもあるのだ。(編集/北田

※本文は、第十回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「『御宅』と呼ばれても」(段躍中編、日本僑報社、2014年)より、陳静逸さん(吉林華橋外国語学院)の作品「待ってください」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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