米中のはざまで揺れる韓国外交、難しいかじ取り、「高次方程式」と韓国メディア

Record China    2016年7月31日(日) 2時0分

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中国の反対を押し切ってTHAAD配備に踏み切った韓国が米中の間で難しい外交のかじ取りに直面している。揺れる外交を韓国メディアは解くに解けない「高次方程式」と表現としている。資料写真。

2016年7月30日、韓国が米国と中国のはざまで難しい外交のかじ取りを迫られている。米国の求めに応じ、中国の反対を押し切って高高度迎撃ミサイル(THAAD)配備に踏み切ったが、核・ミサイル開発を進める北朝鮮の暴走を止めるには後ろ盾の中国の協力が不可欠。韓国メディアは、揺れる外交をなかなか解けない「高次方程式」に例えている。

中央日報によると、韓国の尹炳世外相はラオスの首都ビエンチャンで開かれた東南アジアアジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議に際して中国の王毅外相と会談。王外相は「最近の韓国の行動は双方の信頼を損ねた。残念に思う」と述べ、THAAD配備中止を求めた。王外相は尹外相の発言に手で遮ったり、あごに手を当てたまま発言を聞いたりする「外交的な欠礼」に近い行動も取っていたという。

これに対し、尹外相は「「両国関係が緊密になるほどさまざまな挑戦がありうるが、克服できない事案ではない」と強調。尹外相は「山に出くわせば道をつけ、水に出くわしたら橋をかける」という言葉で、「困難なことがあれば、これを解決するために努力しなければならない」を意味する「逢山開道、遇水搭橋」を引用して説明に努めたが、冷たい雰囲気は変わらなかったという。

聯合ニュースは26日のASEANプラス3(日中韓)外相会議に出席した尹、王外相は「あいさつも交わさなかった」と指摘。THAADをめぐり、中韓両国が「神経戦」とも伝えた。

韓国とは対照的に、王外相は北朝鮮の李容浩外相とは親密な関係を演出してみせた。韓国メディアによると、両外相は北京から出発して昆明を経由する同じ飛行機でラオスに到着。宿舎も同じホテルだった。

25日の中朝外相会談で王外相は冒頭、李外相に「(5月8日の外相)就任をお祝いする」「中朝では関係発展のために共同で努力する用意がある」と発言。「共同の関心事になる問題について深みのある意見交換をするつもりだ」と付け加えた。

李外相は「王毅外相が朝鮮民主主義人民共和国のために祝電を送ってくれたことに対して感謝してやまない」として、「今後、朝中親善のために積極協力する外交関係を結びたい」と応えた。祝電は今月11日の中朝友好条約締結55周年を迎えて中国の習近平国家主席が北朝鮮の金正恩委員長に送ったものを指す。

さらに李外相は「「今後、朝中親善のために積極協力する外交関係を結びたい」とエール。中央日報は「韓国に見ろと言わんばかりに北朝鮮外相の手を握った王毅外相」と報じている。

「高次方程式に直面した韓国外交」(中央日報)は、常設仲裁裁判所が中国の広範な領有権主張を退けた南シナ海問題でも示された。中国に判決受け入れを迫った日本や米国、オーストラリアとは一線を画し、中国への配慮をにじませている。

中央日報は、判決直後の今月14日、米ホノルルで開催された日米韓3国の外務次官会議後の記者会見で「判決を支持するか」と問われた韓国の林聖男外交部第1次官は「平和的解決を3回反復」と報道。日米とは異なり、法治、適法性、法的拘束力などに言及を避けた、と解説した。(編集/日向)

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